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野村の7─9月期、当期利益は前年比+31% 海外全拠点が黒字に
10月27日、野村ホールディングスが発表した2016年7─9月期連結決算(米国会計基準)は、当期利益が前年同期比31%増の612億円となった。写真は都内で昨年12月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 27日 ロイター] - 野村ホールディングス<8604.T>が27日発表した2016年7─9月期連結決算(米国会計基準)は、当期利益が前年同期比31%増の612億円となった。主力の営業部門(リテール)部門は、日経平均株価が一時2万円台で推移した前年同期比で減収減益となったが、トレーディングを中心とするホールセール部門が好調で業績を下支えした。
先に実施した欧州を中心とするコスト削減によって、損益分岐点が低下したのも功を奏した。欧米アジアの海外3拠点は、2012年10─12月期以来初めて、すべてで黒字化した。
野村は通期で海外の黒字化を目指している。北村巧・執行役財務統括責任者(CFO)は、同日の会見で、黒字維持への見通しについて「以前より確度は高まっている」と述べた。
<リテール減速、ホールセールが稼ぐ>
7─9月期決算を各ビジネスラインで見ると、グル―プの主要3部門のうち、リテールの税引き前利益は、前年同期比61%減の144億円。投資家の様子見ムードが強まったことが響いた。
安定的な収益源のカギとなる投資一任(ラップ口座)の残高は2兆2691億円まで積み上がったものの、7─9月期の資産純増額は639億円にとどまった。4─6月期は1072億円だった。
北村CFOによると、10月に入ってからの投資家の動向は「4─9月とそれほど大きな変化はない」という。
ただ、九州旅客鉄道(JR九州)<9142.T>の好調な新規公開(IPO)や相場全体の回復などもあり、米大統領選挙の終了で目の前の雲が晴れれば、「少しずつ投資家のマインドは戻ってくるのではないか」(北村氏)と期待を示した。
一方、債券や為替のトレーディング業務を行うホールセール部門は、ビジネスが増加。地域別では米州が好調で、金利・為替などフィクストインカム関連の収益が高水準で維持し、ホールセールの税引き前利益は同4.6倍の393億円に拡大し、リテールの約2.7倍となった。
*本文7段落目の脱字を補いました。
(江本恵美)