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ドル/円が上昇、米賃金上昇でインフレ高進示唆=NY外為

2017年04月29日(土)06時29分

 4月ニューヨーク外為市場では、第1・四半期の米雇用コスト指数統計で賃金の上昇が確認されたことを受け、ドルが対円で約4週間ぶりの高値に迫った。(2017年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 28日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、第1・四半期の米雇用コスト指数統計で賃金の上昇が確認されたことを受け、ドルが対円で最大0.4%上昇し、今週に入ってから付けた約4週間ぶりの高値に迫った。

ドル/円は一時0.4%高の111.71円に上昇、26日に付けた約4週間ぶり高値の111.77円に迫った。

第1・四半期の雇用コスト指数は前期比0.8%上昇。とりわけ賃金は前期比0.9%上昇し、10年ぶりの大幅な伸びとなった。第1・四半期の国内総生産(GDP)の速報値は年率換算で前期比0.7%増と低調だったにもかかわらず、賃金の伸びが確認されたことで物価上昇が力強くなっていることが示され、ドル買いにつながった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジ(ワシントン)のチーフ・マーケットアナリスト、オマ ー・エシナー氏は、「今回のGDP統計で連邦準備理事会(FRB)が6月の会合で利上げし、その後9月にも再度利上げするとの見通しが変わることはない」としている。

ユーロは対ドルで上昇。4月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値が前年同月比1.9%上昇と予想を上回る伸びを示したことで買いが入った。ユーロ/ドルは一時1.0947ドルまで上昇。今週に入り付けた5カ月半ぶりの高値となる1.0950ドルに迫った。

マーク・インベストメンツの最高投資責任者(CIO)、アクセル・マーク氏は、ユーロ圏のCPI統計について「インフレ圧力が出始めており、欧州中央銀行(ECB)が超緩和的な金融政策を縮小に動く可能性があることを市場に認識させるものだった」としている。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は99.015と、やや低下した。

ドル/円 NY終値 111.53/111.56

始値 111.45

高値 111.71

安値 111.34

ユーロ/ドル NY終値 1.0895/1.0899

始値 1.0936

高値 1.0940

安値 1.0884

(表はロイターデータに基づいています)

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