ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(28日)

2017年04月29日(土)07時01分

[28日 ロイター] - <為替> 第1・四半期の米雇用コスト指数統計で賃金の上昇が確認されたことを受け、ドルが対円で最大0.4%上昇し、今週に入ってから付けた約4週間ぶりの高値に迫った。

ドル/円は一時0.4%高の111.71円に上昇、26日に付けた約4週間ぶり高値の111.77円に迫った。

第1・四半期の雇用コスト指数は前期比0.8%上昇。とりわけ賃金は前期比0.9%上昇し、10年ぶりの大幅な伸びとなった。第1・四半期の国内総生産(GDP)の速報値は年率換算で前期比0.7%増と低調だったにもかかわらず、賃金の伸びが確認されたことで物価上昇が力強くなっていることが示され、ドル買いにつながった。

<債券> 国債価格が上昇。インフレや賃金の着実な伸びを示す統計を受け、当初は値下がりしていたものの、その後は月末の調整買いが入り、プラスに転じた。

第1・四半期の国内総生産(GDP)統計は、成長率が年率換算で0.7%と、3年ぶりの低水準にとどまる一方、個人消費支出(PCE)価格指数の伸びはコアベースで2%となり、前四半期の1.3%から拡大。総合ベースでも2.4%伸びた。また賃金の伸びの指標となる雇用コスト指数は第1・四半期が市場予想を上回る0.8%上昇で、2007年以来の高い伸びを記録した。

金利先物が織り込む6月利上げの確率は71%。統計発表前は68%だった。

終盤の取引で10年債は3/32高。利回りは2.285%と、前日終盤の2.296%から低下した。統計発表を受け一時2.338%に上昇する場面もみられた。

<株式> 3年ぶりの低水準となった第1・四半期の米国内総生産(GDP)統計が重しとなり、このところの上げで利益確定の動きが優勢となった。

週間では、ダウが1.9%、S&Pが1.5%、ナスダックが2.3%それぞれ上昇。月間でもダウが1.3%高、S&Pは0.9%高、ナスダックは2.3%高となった。ナスダックは6カ月連続の上昇で、約4年ぶりの連騰記録となる。

決算を好感し、アマゾン・ドット・コムとグーグルを傘下に有する持ち株会社アルファベットはいずれもザラ場で過去最高値を更新。アマゾンは3.4%高の949.59ドル、アルファベットは5%高の935.90ドルまで値を上げた。その後はともに押し戻され0.7%、3.7%それそれ上昇して終えた。

半導体大手インテルは3.4%安。予想を下回る決算が重しとなった。

<金先物> テクニカルな買い戻しなどに支えられて小幅続伸。ただ、 週間では1.61%安と、7週ぶりにマイナスに転じた。ティラーソン米国務長官がこの日午前、国連安保理の閣僚級会合で「北朝鮮による東 京やソウルへの核攻撃は現実の脅威だ」と言及したため、地政学的リスクが改めて意識され、安全資産とされる金塊相場はプラス圏を維持した。

<米原油先物> 未明から朝方にかけて対ユーロでドル安が進んだことに伴う割安感などから買われ、反発した。ただ、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国が協調減産を延長するかどうかをめぐって依然先行き不透明感がくすぶっていることから、相場の上値は重かった。朝方発表 された1─3月期の実質GDP(国内総生産)伸び率が鈍化したこともエネルギー需要の 先行き不安につながり、重しとなったもようだ。

(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ロイターネクスト:米第1四半期GDPは上方修正の可

ワールド

バイデン氏、半導体大手マイクロンへの補助金発表 最

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中