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米経済は緩やかに拡大、インフレ加速の兆候乏しく=地区連銀報告
10月18日、米連邦準備理事会(写真)が公表した地区連銀経済報告では、米経済が9月から10月初旬にかけて控えめから緩やかなペースで拡大したとの認識が示された。5月撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)では、米経済が9月から10月初旬にかけて控えめから緩やかなペースで拡大したとの認識が示された。依然としてインフレ加速の兆候がみられないことも指摘した。
FRBは経済報告で「労働市場の引き締まりが拡大しているにもかかわらず、大半の地区連銀が賃金圧力は控えめから緩やかと報告した」と指摘した。
また、ハリケーン「ハービー」と「イルマ」が第3・四半期の経済成長にマイナスの影響をもたらす可能性があるとしつつも、短期的な影響にとどまるとの見通しを示した。12地区連銀中リッチモンド、アトランタ、ダラスの3連銀がハリケーンによる被害を報告。ハービーが直撃したテキサス州ヒューストンを含むダラス地区ではほとんどの調査先が著しい長期的な被害はないだろうとの見方を示した。
調査では今回も、緩慢な物価上昇圧力が際立った。多くの地区が、資格要件を満たした人材が見つからないと報告しているにもかかわらず、物価が上がっている兆候が乏しい。これはFRBの主要な懸念材料となっている。人手不足は特に、建設業と輸送業、技術を必要とする製造業、一部のヘルスケアとサービス業で深刻だった。報告は「こうした人手不足は企業の成長も抑制した」とした。
ただ人手不足は賃金の上昇につながらなかった。また、複数の地区が製造業の原材料コストが上がったことを報告したにもかかわらず販売価格は総じてあまり変わらなかった。報告は「物価圧力は緩慢なままだった」とした。
FRB当局者は底堅い経済成長や雇用を示す指標を見慣れてきたが、広範にわたる物価上昇圧力につながる兆候はほとんどない。最近は、十分に解明されていない要因で物価が低水準に留まっているのではないかとの見方が出ている。
FRBが物価の目安としている指標は今年、FRBの物価目標である2%から遠ざかり続けている。現在は1.3%だ。
ただイエレンFRB議長は、物価が回復する見込みで、FRBが12月に再利上げする軌道に乗っているようだと発言している。
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