ニュース速報
ビジネス

ECB、6月利下げの確信強める サービスインフレに進展=当局者

2024年05月07日(火)09時39分

欧州中央銀行(ECB)の3人の当局者は6日、ユーロ圏のインフレ率が引き続き緩和しており、ECBは利下げに対する確信を強めているとの見方を示した。2015年9月撮影(2024年 ロイター/Ralph Orlowski)

[ビリニュス/フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の3人の当局者は6日、ユーロ圏のインフレ率が引き続き緩和しており、ECBは利下げに対する確信を強めているとの見方を示した。

ECBのチーフエコノミストであるレーン専務理事のほか、ECB理事会メンバーのシムカス・リトアニア中銀総裁およびブイチッチ・クロアチア中銀総裁はインフレ率と成長率の最新のデータを受け、インフレ率が来年半ばまでにECBの目標である2%に回帰するとの見方が強まったと述べた。

欧州連合(EU)統計局が4月30日に発表した4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.4%と、3月と同水準だった。ロイターがまとめた市場予想と一致した。

また、第1・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増、前年比0.5%増だった。

レーン氏はスペイン紙エル・コンフィデンシャルに対し、サービス価格のインフレがついに鈍化し始めたとして6月利下げの可能性が高まっていると指摘。「4月のHICP速報値も、第1・四半期GDPも、インフレ率がタイムリーに目標に戻るという私の確信を高めている。今日時点で、私自身の確信度は4月会合と比べて向上した」と述べた。その上で、今後数週間に重要データがさらに発表されると指摘した。

シムカス氏は、ECBが2024年末までに3回の利下げを行うと引き続き予想していると言及。記者団に対し「今後さらに利下げが行われると考えているが、今年は3回の利下げを予想しているとすでに表明しているものの、その回数については詳述しない」と語った。

ブイチッチ氏はイベントで「これまでに入手されたデータは、われわれの予測とかなり一致している」とし、「現時点でわれわれが見ているように、予測が正しいとすれば、政策スタンスは緩和されるだろうが、インフレ率を2%水準に引き下げるために依然として制約的な領域にとどまるだろう」とした。

レーン氏は4月のインフレ統計では、サービス部門のインフレ鈍化に進展が見られたと指摘したが、ECBは今後もサービス価格の動向を注視し、ディスインフレ基調に水を差さないか見極めると述べた。

*システム上の都合で再送します。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動

ビジネス

必要なら利上げも、インフレは今年改善なく=ボウマン

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中