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英EU離脱の撤回巡る訴訟を取り下げ、運動家がアイルランドで

2017年05月30日(火)10時47分

 5月29日、英国の欧州連合(EU)離脱を撤回できるか司法に判断を仰ごうと活動してきた運動家らが、アイルランド高裁に持ち込んだ訴訟の継続を断念したことが29日分かった。写真は4月、ダブリンでEU離脱に抗議する市民ら(2017年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)

[ダブリン 29日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱を撤回できるかについて司法に判断を仰ごうと活動してきた運動家らが、アイルランド高裁に持ち込んだ訴訟の継続を断念したことが29日分かった。原告団の1人が明らかにした。

運動家らは昨年12月、訴訟費用を集める運動を展開し、48時間で7万ポンド(9万ドル)を集め、アイルランドで提訴。欧州司法裁判所(ECJ)に付託され、最終的な判断が示されることを期待していた。

原告団は訴訟を断念した理由として、アイルランド政府が反対していることや、訴訟には時間がかかると想定されること、訴訟を続けるのに必要な費用がかさむことなどを挙げた。

英国税制の専門家で、訴訟を支援してきた弁護士のジョリオン・モーム氏は自身のウェブサイトに掲載した声明で「残念だが、訴訟を断念することで意見が一致した」と説明。

モーム氏は先月、訴訟は6月か7月にはECJに付託されると予想していると述べていたが、声明ではアイルランド高裁での陳述は早くても秋になり、その後付託を得るには最高裁を経る必要もあると指摘。ECJでの審理にはさらに4─8カ月待たされる可能性が高く、その場合、司法判断の時期がEUと英国とが交渉を終えるめどとしている2018年10月よりも大幅に早い時期には司法判断を得られない可能性があるとした。

訴訟費用についても無視できないと指摘しており、ネット経由のクラウドファンディングで集めた資金の多くが既に訴訟費用として費やされたとし、残った資金については英国のEU離脱に関連した訴訟や慈善事業に寄付するつもりだと述べた。

モーム氏は、欧州理事会や欧州委員会、欧州議会はいずれも英国がEU側に提出した離脱交渉の届け出を撤回することは可能だとしているものの、法律上の見解は異なると説明。「今回の訴え取り下げにより、訴訟というルートを通じて(撤回が)可能かどうか知ることはできなくなる」と無念さをにじませた。

ロイター
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