最新記事

日本経済

日経平均は大幅続落1050円安、今年最大の下げ幅 原油急落と円高を嫌気

2020年3月9日(月)16時35分

東京株式市場で日経平均は大幅続落し、終値ベースで今年最大の下げ幅となった。写真は都内で9日撮影(2020年 ロイター/EDGARD GARRIDO)

東京株式市場で日経平均は大幅続落し、終値ベースで今年最大の下げ幅となった。原油価格の急落と為替の円高進行に伴い、朝方から全面安の展開となった。日経平均は心理的節目である2万円を下抜けた後もさらに下げ幅を拡大。一時1万9500円を割り込み、2019年1月4日以来、約1年2カ月ぶりの安値をつけた。東証1部の売買代金は3兆4646億4000万円まで膨らんだ。

日経平均は前営業日比406円44銭安で続落スタート。その後心理的節目である2万円をあっさり割り込んだ。為替の円高や米株先物の急落などを横目に、じりじりと下げ幅を拡大。前場の取引時間中で一時1万9472円26銭まで下落した。外為市場でドル/円が一時101.55円まで急落したことが日本株の上値を重くした。

後場は1万9500円台を挟んで一進一退となり、1万9698円76銭で取引を終えた。

東京時間では米WTI原油先物が一時1バレル=27.34ドルまで下落し、2016年2月以来の安値を付けた。「OPECプラス」の協調減産協議の決裂やサウジアラビアの原油大幅増産計画などが嫌気された。

TOPIXも大幅安。東証33業種すべてが値下がりとなり、鉱業、石油・石炭製品などの値下がり率が目立った。原油価格が急落したことが嫌気され、国際石油開発帝石、石油資源開発、コスモエネルギーホールディングス、JXTGホールディングスなどが下落した。

そのほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、野村ホールディングスなどの金融株も大幅安となった。「グランド・プリンセスで集団感染の恐れなど、米国でも深刻度が増しており、金利低下圧力が一段と高まった」(キャピタル・パートナーズ証券・チーフマーケットアナリストの倉持宏朗氏)という。

ソフトバンクグループは10%超安。原油価格の急落に伴い、同社のビジョン・ファンドに出資するサウジ政府系ファンドの資金に与える影響が懸念された。

市場では「株式は売られ過ぎの側面が強いが、いったんこうしたセンチメントが強まると、何が下値を支えるきっかけとなり得るのか見いだしづらい。しばらく不安定な相場が続きそうだ」(大和証券・チーフグローバルストラテジストの壁谷洋和氏)との声が聞かれた。

東証1部の騰落数は、値上がり22銘柄に対し、値下がりが2138銘柄、変わらずが3銘柄だった。

日経平均

終値      19698.76 -1,050.99

寄り付き    20343.31

安値/高値   19,472.26─20,347.19

TOPIX

終値       1388.97 -82.49

寄り付き     1442.62

安値/高値    1,378.43─1,443.16

東証出来高(万株) 251847

東証売買代金(億円) 34646.4

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症VS人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮が短距離弾道ミサイル発射、日本のEEZ内への

ワールド

中国、総合的な不動産対策発表 地方政府が住宅購入

ワールド

上海市政府、データ海外移転で迅速化対象リスト作成 

ビジネス

中国平安保険、HSBC株の保有継続へ=関係筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇…

  • 5

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 6

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 7

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 8

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 9

    日鉄のUSスチール買収、米が承認の可能性「ゼロ」─…

  • 10

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中