最新記事

インターネット

「男性グループチャット」が孤独に悩む男性を救う・最新研究

Boys' Chat: All a Guy Needs

2023年5月28日(日)14時15分
イアン・レックリトナー(ライター)
チャット

気軽に参加して言いたいことを言えることが孤独感の解消につながる IZZETUGUTMEN/ISTCOK

<犯罪や人種差別といった危険なイメージを払拭、健全かつ気軽なチャットにハマる男たちが増加中。人間関係の質や自尊心を高めるという研究も>

自分が孤独な人間になるなんて思ってもみなかった。あなたは行く先々で友達ができると婚約者からよく言われたものだ。

だが私たちは訳あって町を出て、間もなく私は酒をやめた。その数カ月後、パンデミックが起きた。

この数年間、私はバーを飛び回る社交的なチョウから孤独な芋虫に変わった。落ち込んで自宅アパートの部屋から出られず、実際に立てなくて部屋の中をはい回っていた。

旧友たちと遠く離れて在宅勤務。酒という究極の社会的潤滑油とは、もう無縁だった。ソーシャルディスタンスで人と会うこともできなかった。

世論調査や研究によれば、孤独な男性の割合は増加の一途をたどっている。

2021年のアメリカ人の意識調査では、親しい友人が全くいないという人は男性の15%と、1990年の5倍だった。私もその1人になりかけていた。

だが20年夏、私は男性ばかりのグループチャットに招待され(大学時代のルームメイト2人もメンバーだった)、長く孤独なトンネルの先にかすかな光が見えてきた。

最初はクレイジーなミーム(ネット上で拡散する画像やフレーズなど)をシェアする場だったが、意外にも友情、向上心、自己実現のよりどころになり、しまいに私の孤独を消した。

参加した当初は禁酒に苦戦し、燃え尽き感が激しく、リアルな友人はゼロで、落ち込んだメッセージを連投していた。1日でも仕事で嫌なことがあったり、1回でも瞑想ができなくなったら、ノイローゼになりそうだった。

だがチャットのメンバーはこちらの気持ちをくみ取って励まし、不安を軽くするような本の読書会をしようと誘ってくれた。参加してから数日間は「大丈夫だよ」と繰り返し言われ、楽観的なムードに包まれた。

過去数年、男性チャットは話題になっている。

俳優のベン・アフレックは最近出演したトーク番組で、仲良しの男性セレブのマット・デイモン、ブラッドリー・クーパー、ジェーソン・ベイトマンの、単語当てゲーム「ワードル」についてのチャットに加わるつもりだと暴露し、ネットを沸かせた。ワードルは男性チャットのイメージよりはるかに健全だからだ。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産の今期営業益予想5.5%増、為替変動や生産性改

ワールド

プーチン氏「戦略部隊は常に戦闘準備態勢」、対独戦勝

ワールド

マレーシア中銀、金利据え置き インフレリスクや通貨

ワールド

中国軍艦、カンボジアなど寄港へ 米国は警戒強める可
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 3

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 4

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 5

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食…

  • 6

    この夏流行?新型コロナウイルスの変異ウイルス「FLi…

  • 7

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 8

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 8

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 9

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中