最新記事

プロダクト

人気時計ブランドがデザインした戦闘機のようなコンセプトカー

2016年7月27日(水)15時18分
笠木恵司 ※Pen Onlineより転載

ベル&ロスがデザインしたコンセプトカー「AeroGT」。4.2ℓV8ツインターボエンジンをミッドシップにして、出力は610馬力。最高時速は315㎞/h。スペックもさることながら、カーボンファイバーのボディはまるでジェット戦闘機。(イメージのためのコンセプトカーであり、一般販売は予定していません)

 空気の層を滑らかに切り分けていくような独特の流線型ボディに、水滴型のガラス張りルーフ。人気時計ブランドのベル&ロスが、まるでジェット戦闘機のようなコンセプトカー「AeroGT」をデザインしました。

 ベル&ロスでは2014年にコンセプトバイク「B-Rocket」を発表しており、その延長としてクルマづくりに挑戦したのは不思議ではありません。もともと同ブランドは航空機にインスパイアされたモデルで世界的にブレイクしており、それがクルマのデザインに導入されたのも納得できます。

(参考記事:スマホと連携した「モレスキン」のノート&ペン、一体なにがすごいのか?

 1992年、高校時代からの友人で時計好きの若い2人、ブルーノ・ベラミッシュとカルロス・A・ロシロがフランス・パリで設立したベル&ロスは、ミリタリースタイルで時計通好みの細部にこだわったモデル「ヴィンテージ」でスタート。2002 年にはスイスのラ・ショー・ド・フォンに工房を開設。そして2005年に誕生した同ブランド初の角型モデル「BR01シリーズ」が爆発的にヒットしました。このシリーズこそが、1970年代の航空機のコックピットで使用された計器をイメージしたスタイルだったのです。

 以後の多彩なコレクションも航空機からさまざまなヒントを得ており、2015年はこの「BR01」の10周年となります。このようにベル&ロスと航空機は密接に結びついており、さらに時計好きはクルマ好きともいわれるので、これらが合体した超本格的なGTカーは、ベル&ロスの見果てぬ夢だったといえるかもしれません。

(参考記事:次の流行はジャガーでサーフィン、銀座でショッピング!? ネクストレベルを見せつけるジャガー初のSUV「F-PACE」の実力とは。

 その夢を実現したAeroGTは、全長が4.7m、車高は1.1mと極めて低い2シーターで、重量バランスに優れたミッドシップエンジンのレイアウト。ステルス戦闘機のようにシャープなアングルで造形されたボディに、コックピット前方から左右に飛び出した細いミラーが羽根のように見えます。これは戦闘機の先端に配置される「先尾翼」からヒントを得たそうです。リアにはターボジェットの排気口のような2本の大型マフラーを装備。タービン風のタイヤホイールも超音速機のエンジンのファンを意識しており、至るところに最先端のジェット機のイメージが貫徹されています。

 ただし、ボディは軽量化と高い強度を両立するモノコック構造で、素材はカーボンファイバー。このため重量は1320㎏。このボディに4.2ℓV型8気筒ツインターボエンジンを搭載しており、610馬力を叩き出します。最高速度は315㎞/h。アクセルの一踏みで3秒以内に100㎞/hに到達する加速性能を備えた、新時代のスーパーカーといえるでしょう。

pen160713-2.jpg

流麗な後姿もどこかジェット機を彷彿させます。

pen160713-3.jpg

真上から見ても流麗なデザイン。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

訂正-4月米フィラデルフィア連銀業況指数、15.5

ビジネス

全国コアCPI、3月は+2.6% 生鮮除く食料の伸

ビジネス

米アトランタ連銀総裁、インフレ進展停滞なら利上げに

ワールド

パレスチナ国連加盟、安保理で否決 米が拒否権行使
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中