最新記事

障がい

パラリンピックもいいけれど実用的な障がいアシストを競う「サイバスロン」にも注目せよ!

2016年9月6日(火)18時20分
ケイト・ローレンス ReadWrite[日本版]編集部

 スイスのチューリッヒで、そのサイバスロンが10月8日に開催される。ロボティクス技術が生活にどう役立つのかを競うため、25ヵ国から74名のアスリートが参加するのだ。競技者たちは「パイロット」と呼ばれ、その抱える障害によって俊敏さや器用さ、スピードを競うさまざまなタスクに挑む。

人工装具や車椅子で挑む障害物競争

160905-cybathlon2.jpg

 障害物競争では、4名のパイロットがそれぞれのコースで6つのタスクを早くこなすことを競う。たとえば、義足向けのコースでは階段を登ったり平均台を渡ったりといった異なるステップをこなすことが課題となる。義手の場合はモーターの器用さが求められるタスクをこなすといった具合だ。

 モーター付き車椅子向けのコースでは、ジョイスティックや舌を使った操作、タッチパッドやその他の技術を使って操縦することが認められ、パイロットたちは少人数のチームを組み、敷居の段差やでこぼこ道、急な坂道といった日々のアクセス上の問題を解決する革新的なソリューションを生み出すことを求められる。参加資格者は、脊髄損傷を抱える人や両足を失った人など、歩くことができない人たちである。

外骨格スーツ向け障害コース

160905-cybathlon3-400x600.jpg

 サイバスロンでは、階段の昇降や不安定な路面の移動などさまざまな動作を簡単に、かつ、安定的におこなえる外骨格スーツを見ることができる。脊髄損傷により足が完全に麻痺しているパイロットのみが参加可能となっている。

ブレインコントロールインターフェイスを使ったバーチャルレース

160905-cybathlon4.jpg

 ブレインコントロールインターフェイスは、脳の信号を読み取り、さまざまなレベルの麻痺を抱えた人が意識するだけで物を動かしたりできるものだ。バーチャルレースでは、パイロットたちは思想統制でゲーム上のキャラクター(あるいはアバター)を操作する。パイロットたちが正しいタイミングで正しい信号を送ることで、キャラクターは障害物を飛び越えたり加速し、逆に失敗すると減速した障害物に突っ込んだりする。ほとんどのチームは信号の検出に脳波記録を利用するが、赤外線分光法など他の方法も許可されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル小幅高、FRB当局者は利下げに慎

ワールド

米、ウクライナ軍事訓練員派遣の予定ない=軍制服組ト

ビジネス

米国株式市場=ナスダック最高値、エヌビディア決算控

ワールド

ICC、ネタニヤフ氏とハマス幹部の逮捕状請求 米な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 7

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 10

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中