最新記事

インタビュー

「打倒トヨタ」を掲げ、地域が共に闘う空気を意図的につくる

2016年10月21日(金)15時48分
WORKSIGHT

権限移譲は社長の責任放棄にもつながる

 そして「成果に対するリターンを享受できる組織になる」とビジョンに掲げているわけですから、業績が良くなれば必ずスタッフに配給します。すると信頼関係が生まれ、さらに頑張ろうと奮起して、組織はいっそう成長していく。プラスのスパイラルでどんどん成果を出し続けていける組織に生まれ変わるんです。

 叱咤したり鼓舞したり、悩んでいるときはじっくり話を聞いたりしながらプロセス管理を徹底して勝ち組の意識を植えつけていく。突き詰めれば社長の仕事はこれに尽きると思います。

 権限委譲をよしとする意見も耳にしますけど、社員数が100名くらいまではトップがきめ細かく見ていくのがいいと私は考えています。ベンチャー企業の社長が中途半端なところで「ナンバー2がほしい」とか「現場の裁量権を拡大させたい」と言い出したら、それは疲れている証拠ではないかと(笑)。

 組織の規模がまだ小さいうちは社長が全て見ていくくらいの気構えがなければ成長は望めないと思いますね。ですから将来的な権限委譲を念頭に置いているリーダー格はもちろんいたとしても、基本はトップが掌握してプロセス管理をしっかりやっていく。100人規模になるまではそういう方法でいこうと思っています。

ファンの期待に応えるためにプロとしてどこまで踏ん張れるか

 事業が軌道に乗って、社員の意識は変わってきました。以前は他のチームに追いつけ追い越せだったけれども、追い越した今はむしろプレッシャーを感じていると思います。でもそれがいい刺激となって、モチベーションを高める要素になっている。

 金銭的なリターンも大事ですけど、特にファンや世間から評価されると、適当な仕事ができなくなります。頑張ろうという気持ちが内側から湧いてくる状況になってきたといえるでしょう。

 それは選手も同じです。観客動員が増えて、勝率も上がってきたわけで、以前と手ごたえが全然違いますよね。選手には「結果を出したかったらそのための努力をしよう」「他のチームの選手が10の練習をするなら、自分たちは15やらないと勝てないぞ」といったことを話しています。何といっても試合でシュートを決めたときのファンの大歓声は最高に気持ちいいはず。「ああいうシーンをもっと増やそう、そのためにシュートの練習をしよう」と働きかけています。プロの選手生命は10年ちょっとですから、悔いのないようにやり切ってほしいと思っています。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか

ワールド

北朝鮮の金総書記、核戦力増強を指示 戦術誘導弾の実

ビジネス

アングル:中国の住宅買い換えキャンペーン、中古物件

ワールド

アフガン中部で銃撃、外国人ら4人死亡 3人はスペイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 5

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 10

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中