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深センに行ってきた:物を作れる人類が住む街で

2016年12月9日(金)15時00分
山崎富美(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター フェロー)

毎日毎日 iPhone を開いては直していく少年

 冒頭の「iPhone の修理」だが、深センでは iPhone の非公式な修理をあちこちで目にすることができる。パーツを売っているビルの中に、たくさんの「6人がけブース」のコーナーがあって、オープンな環境でスマホの修理が行われている。このビルでは、おそらく 50 人以上のブースがあったかと思う。ほかのビルも含めて100人以上を見てきたが、ほぼ必ず若い男性が、修理を行っている。年配の男性や女性が修理しているのを一度も見なかった。修理の指示出しを女性がしているのは見かけた。

 しばらく見ていると、ブースによって持っている器具も少し異なるし、綺麗さも異なるし、スピードも異なる。師匠次第なんだろうな。

 若いうちから毎日毎日 iPhone を開いては直していく少年たちは、何を学び、今後どんな人生を送っていくのだろうか。

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 華強北を歩いていたらこんなポスターを見かけた。スマートホンの修理機器の広告だ。道を歩いているだけでどういう修理機器があって、どういう故障を直せるのかなどがわかる。開ける気満々、直す気満々な街である。

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去年の Maker Faire Bay Area の Google ブース

 ちなみに去年の Maker Faire Bay Area の Google ブースでは色々な Google のハードウェアプロダクトや実験プロジェクトの展示をやっていたほか、Maker Breaker Lab というのをやった。

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 ブースには壊していい物がズラッと並んでいて、子どもたちは、何を壊したいかみんなで決める。そして、Google 社員がそれを壊してみせ、その様子を動画に撮影。

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 壊し終わったそのオブジェクトを子どもたちは触ってみることができるし、壊れる様子を動画で見ることもできる。非常に様々な物がこの日は壊され、中身が分解された。

 「物を壊してはダメ」「物を開いてはダメ」と言われる都会の現代っ子達に物を壊し、物の中身と仕組みを知る機会が与えられた。

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