最新記事

生活習慣

情報を多くもっている人が仕事ができるわけじゃない

2017年3月3日(金)12時28分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 後から聞くと、今では自分の事務所もたたんで、他の事務所の雇われ司法書士をやっているそうです。多くの司法書士が事業拡大している中で、なぜあれほどの情報が頭の中にあったMさんが、時代の流れを読めなかったのでしょうか? 私は、Mさんの頭の中に、貧乏になる人の特徴が出ていると思いました。

 頭の中は一つの本棚です。

 貧乏になる人の頭の中の本棚はどんな状態でしょう? おそらく、インターネットの情報や友達のうわさ話が乱雑に置かれ、まとまりのない状態ではないかと思います。まるで、A4用紙に印刷された情報が散乱しているかのように、どこに何があるかわからない。しかも、SNSをやるたびにうわさ話の情報が積み重なり、まさに収集がつかなくなっているのかもしれません。部屋や机の上なら乱雑な状態に気がつくかもしれません。でも、頭の中は目に見えませんよね。散乱した情報で頭がいっぱいになっていたとしても......。先ほどのMさんの頭の中はこんな状態だったのでしょう。

 情報は力です。お金持ちと貧乏人との違いは、情報量にあるという人もいます。その情報とは、お金に直結しているのかどうかが重要です。友達のうわさ話、検索すればわかる芸能情報なんて、どんなに量があっても力にならない。つまりお金に結びつかないのです。

【参考記事】共働きも、お金持ちになりたければ住む場所を選べ

 一方、成功する人、お金持ちの頭の中の本棚はどうなっているのでしょう?

 参考になるのは、元首相の田中角栄氏の話です。コンピューター付きブルドーザーの異名をとり、大胆な政策を実行した田中元首相が、ゴルフを始めたときのこと。秘書に「ゴルフの本を1貫目(3・75㎏)買ってこい」と命じ、すべて読み終え、いきなりプレーすると見事なスコアーだったそうです。

 ここに、お金持ちと貧乏人をわけるポイントがあります。

 つまり情報を頭に入れるときに系統立てているかどうかなのです。趣味でもいいし、仕事でもいい。ある分野に絞ってまとまった知識量のある人は、お金に結びつきやすいのです。

 特定の分野に関して、しっかりした考えができる。そんな分野をつくることを意識して情報収集してみてください。ネットサーフィンでなんとなく情報を集めても、よほどのことがない限り、お金には結びつかないのです。ただただ、情報がありすぎてあなたの頭と心が混乱するのがオチでしょう。

 先ほどの田中元首相の頭の中は、ゴルフだけではありません、さまざまな分野の事柄が系統立てて頭の中にあったからこそ成功できたのでしょう。

 一度、あなたの頭の中の本棚を想像してみてください。SNSやインターネット検索、テレビで知った情報であふれていませんか? そうであるなら、一度がっちりある分野のことについてまとまった情報をならべてみませんか。

 この本を読んでいる人なら、お金に関することを意識しながら頭の中の本棚を一度整理して、強化してみてはどうでしょうか。


うわさ話や、インターネット情報を頭の中の本棚に積み重ねていかないようにしましょう

※第3回:友達の多い貧乏人、友達の少ないお金持ち


『貧乏は必ず治る。』
 桜川真一 著
 CCCメディアハウス


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 6

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中