最新記事

北朝鮮制裁

米、ロシアが対北朝鮮制裁違反と非難 安保理で緊急会合開催

2018年9月18日(火)08時19分

国連安全保障理事会は17日、北朝鮮制裁の実施状況を巡り緊急会合を開いた。写真は日本の別所大使と話している米国のヘイリー大使。Brendan McDermid / REUTERS

国連安全保障理事会は17日、北朝鮮制裁の実施状況を巡り緊急会合を開いた。米国のヘイリー国連大使は、ロシアが対北朝鮮制裁を順守していないとして非難した。

ヘイリー大使は「制裁違反は組織的に行われており、1回限りのものではない。米国はロシアが広範にわたり一環して違反しているとの証拠を得ている」と指摘。「ロシアは対北朝鮮制裁を順守し、制裁違反の組織的な隠ぺいをやめる必要がある」と述べた。

その上で、米国と北朝鮮が「困難で繊細」な協議を継続する中、現在は対北朝鮮制裁を緩和する時ではないとの考えを示した。

ヘイリー氏は、ロシアが北朝鮮による海上での違法な燃料積み替えを支援しているほか、安保理が昨年ブラックリストに指定した北朝鮮人の海外追放を拒んだり、制裁違反に関する国連の独立報告書に変更を加える圧力を掛け、自国民の違反を隠ぺいしていると指摘した。

これに対し、ロシアのネベンジャ国連大使は、ロシアが国連報告の作成者に圧力を掛けたことはなく、ヘイリー氏が緊張を高めていると非難。また同氏が指摘したロシア船舶による特定の燃料積み替えについては、報告書で違反に当たらないと判断されたと指摘した。

対北朝鮮制裁については、ロシアと中国が安保理に対し緩和を検討するよう提案。米国を含む他の安保理加盟国は、北朝鮮が実際に行動で示すまで厳しい制裁措置は必要との立場を示している。

このほか、国連政治問題担当のローズマリー・ディカルロ氏は、このところ前向きな進展が見られているとしながらも、「北朝鮮が核兵器と弾道ミサイルプログラムを維持し、開発している兆候は見られている」との見解を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

訂正(14日配信記事・発表者側の申し出)シャープ、

ビジネス

中東欧・中東などの成長予想引き下げ、欧州開銀「2つ

ビジネス

英バーバリー、通年で34%減益 第4四半期の中国売

ビジネス

ABNアムロ、第1四半期は予想上回る29%増益 高
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 8

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中