最新記事

アメリカ政治

トランプ弾劾「私人の対象は違憲」と弁護団 民主党は議会騒乱の責任追及へ

2021年2月3日(水)13時18分

米上院でトランプ前大統領の弾劾裁判が来週開始するのを前に、トランプ氏の弁護団は2日、私人であるトランプ氏を弾劾裁判の対象とするのは違憲とする書面を提出した。1月撮影(2021年 ロイター/JIM BOURG)

米上院でトランプ前大統領の弾劾裁判が来週開始するのを前に、トランプ氏の弁護団は2日、私人であるトランプ氏を弾劾裁判の対象とするのは違憲とする書面を提出した。

弁護団は、1月6日の連邦議会騒乱へのトランプ氏の関与を否定した上で、上院にトランプ氏を裁いたり同氏の公職資格を剥奪する権限はないと主張した。

トランプ氏の弁護士を務めるデービッド・ショーン氏は1日、FOXニュースのインタビューで弾劾裁判を「完全な違憲」と指摘。「私が生涯見てきた中で最も軽率な手続きで、必要のない分断を招いている」と語った。

こうした中、検察官役を務める民主党の下院議員らも書面を提出し、連邦議会騒乱直前にトランプ氏が支持者を「弾薬を込めた大砲」のように議事堂に向かわせたと主張した。

「弾劾および憲法の条項にも『1月の例外』は存在しない」とし、「暴徒を首都ワシントンに呼び集め、狂乱をあおり、弾薬を込めた大砲のように(ホワイトハウスと議会を結ぶ)ペンシルベニア通りに向かわせた。議事堂が占拠されていた際、トランプ氏は『喜んでいた』と伝えられている」と述べた。

トランプ氏は議会騒乱を扇動したとして下院で弾劾訴追された。弾劾訴追を受ける米大統領は3人目。2回の弾劾訴追を受けたのは史上初。しかし、上院では共和党議員の間で弾劾に反対する声が多く、トランプ氏が有罪になるかは依然不透明だ。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・議会突入の「戦犯」は誰なのか? トランプと一族、取り巻きたちの全内幕
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



20240521issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月21日号(5月14日発売)は「インドのヒント」特集。[モディ首相独占取材]矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディの言葉にあり

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米財務長官、ノンバンク住宅ローン業界の対策強化を訴

ビジネス

再送-インタビュー:金利も市場機能働く本来の姿に=

ビジネス

アマゾンやファイザーが対仏投資計画、モルガンSはパ

ビジネス

シティ、インドの投資判断を引き上げ 安定収益と経済
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 5

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 6

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中