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爆発寸前のパプア紛争、「悪魔の部隊」による報復作戦が始まる

Another Papuan Incursion

2021年5月12日(水)19時25分
セバスチャン・ストランジオ

インドネシア政府と軍がパプア独立の動きに神経をとがらすのは、パプアを失えば、他の地域にも自治拡大や分離独立の動きが波及する恐れがあるからでもあるが、それだけではない。

パプア州には世界最大級の埋蔵量を誇る銅・金鉱山があるなど、豊富な天然資源が眠っている。政府による独立派の「テロ組織」指定は、弾圧を正当化し、資源開発を進めるための方便でもあるのだ。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナル・インドネシアの調査によると、18年2月から20年12月までに治安部隊に殺されたパプアの住民は推定80人に上る。地元の治安当局による超法規的殺人などの人権侵害の実態を調べ、法の支配を確立することこそ中央政府の責務だと、同団体のウスマン・ハミド理事長は訴える。

だが現状ではこれまでのパターンが繰り返されそうだ。政府は分離独立の動きを圧殺しようとし、そのために人心はますます中央政府から離れ、武装勢力は手段を選ばず独立を勝ち取ろうとするだろう。

©2021 The Diplomat

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