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LGBT擁護に立ち上がったルクセンブルク首相「同性愛は『選んで』なるものではない」

Luxembourg PM Dismisses Hungary's LGBT Law

2021年6月25日(金)18時32分
ジュリア・マーニン

ベッテルは、「小児性愛、同性愛、ポルノ」が混同されていることに苦言を呈する。

現在48歳で、以前はテレビのトーク番組の司会者だったベッテルは、取材陣に対してこう語った。「私は以前、若い同性愛者だった。今も同性愛者だ。今の私はそれほど若くはないが、自分を危険な存在とは思っていない」

「国中から非難されること、普通ではないと思われること、若者にとって危険な存在と見なされること。それはゲイが『選択ではない』と、気がついていないことを意味する。しかし、不寛容であることは『選択』だ。私は、不寛容に対して不寛容であり続ける。それはこれからも、私の戦いになるだろう」

EUからの追放もあり得る?

ハンガリーからEUサミットの会場に到着したオルバンは、この法律を撤回する可能性を否定した。すでに「官報に掲載」されている法律だとオルバンは説明し、自分はゲイの権利の擁護者だと述べた。

「共産党政権の時代、私は自由の戦士だった。当時は同性愛が罰せられていた時代で、私は彼らの自由と権利のために戦った。今も、同性愛者たちの権利を守ろうとしている。しかし、この法律は彼らに関するものではなく、子供と親の権利を守るためのものだ」

ベッテルは、「言っておかなければいけないことがある。私はこれまで、オルバン氏を尊敬してきた」と前置きしつつ、EU加盟は一方通行の道ではないと語った。「ヨーロッパは、法律と助成金だけを問題にするのではなく、権利と義務についても問題にする」

ルクセンブルクの首相が立ち上がったのはこれが初めてではない。2019年にエジプトで開催されたEUとアラブ連盟のサミットでも、ベッテルはアラブ諸国のリーダーに対し、自分は男性と結婚しており、おそらくアラブの多くの国では死刑になるだろうと発言した。

ベッテルはその後、「私には、何も言わないという選択肢はなかった」とツイートしている。
(翻訳:ガリレオ)

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