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米アイダホ州で初の人肉食「自分の脳を治すため」

Suspect Charged With Killing and Eating Neighbor to 'Cure His Brain'

2021年12月21日(火)17時27分
サマンサ・ベルリン
人肉食イメージ

容疑者の家からは血痕のついた電子レンジやナイフが見つかった EXTREME-PHOTOGRAPHER-iSTOCK.

米国北西部のアイダホ州に住む39歳の男性が、カニバリズム(人肉食)と第1級殺人の罪で起訴された。9月にこの男性の近くに住む70歳の男性が殺され、無残な姿で見つかった事件に関与した疑いだ。

アイダホ州ボナー郡の検察官ルイス・マーシャルは12月15日、容疑者のジェームズ・デビッド・ラッセルに対して、修正版の刑事告訴手続きを行った。今回の告訴状では、デビッド・フラゲットの殺害に加えて、この被害者の遺体を食べた人肉食の容疑も追加されている。

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カニバリズム容疑で逮捕されたラッセル    Bonner County, Idaho Sheriff's Office.


アイダホ州の法律では、「いかなる者であれ、故意に人間の肉あるいは血を体内に摂取した者は、人肉食の罪に問われる」と定められている。

アイダホ州で人肉食の罪で有罪が確定した場合、最長で14年間の禁錮刑に処せられる可能性がある。

警察が、容疑者であるラッセルの自宅を捜索したところ、被害者フラゲットの遺体の一部、血まみれのガラス製ボウルとナイフ、そして血痕のついた電子レンジが見つかった。

「自分の脳を治療する」

被害者の遺体の一部とみられる発見物は検視に送られ、その結果、これらの遺体は加熱されていたことが判明したと、地元メディアのショショーニ・ニュース=プレスは伝えた。フラゲットの遺体の一部はいまだに見つかっていない。

「死やおぞましい殺りくの場面と向き合う時、私たちの良心には衝撃が走る」と、ボナー郡の刑事、フィリップ・ステラはショショーニ・ニュース=プレスの取材に対して語った。「私が知る限り、これはアイダホ州で人肉食の罪で告訴された最初の事例だ」

報道機関向けの発表によると、9月にラッセルの自宅敷地で起きた不審死に関して通報があり、これにボナー郡の保安官代理が対応したという。現場で警察は、被害者のデビッド・フラゲット(70歳)が、家の外にあった「乗用車の車内で、無反応な状態」でいるのを発見した。

フラゲットの両手首はダクトテープで縛られており、殺害される前に体を拘束されたと考えられると、ショショーニ・ニュース=プレスは報じた。

警察によると、ラッセルがフラゲットの死に関係したことを「示唆する状況」があったという。ラッセルは、当初は第1級殺人の容疑で逮捕され、警察は捜査を開始した。

複数の地元ニュースメディアの報道によると、ラッセルが最終的に身柄を拘束される前には、短時間だが警察とにらみ合う状況があったという。ラッセルは拘留されたのちも、薬物検査を受けることはなかった。

ラッセルは警察に対する供述の中で、「(人間の)肉を切り取り」、それを口にすることで「自分の脳を治す」ことができると信じていると述べたという。

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