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基地問題

「やらざるを得ない理由考えて」 沖縄復帰50年でハンストを行う大学院生の声

2022年5月14日(土)16時58分
大橋 希(本誌記者)

沖縄県の民意を政府は無視

投票者総数の72%が辺野古埋め立てに反対し沖縄県の民意は示されたが、政府は無視。元山は県民投票後の3年間で各地を100カ所ほど回り、人々に「具体的行動を起こしてほしい」と話をしてきたという。沖縄の玉城デニー知事も「トークキャラバン」で同様のことを行っている。しかし、事態は変わらない。

沖縄の基地問題を自分ごととして考えられる本土の人は過去より減っているのかもしれない。はたしてそれでいいのか。

今回、元山がツイッターにあげている声明には、沖縄の復帰を推し進めた佐藤栄作首相(当時)が1965年8月、米軍統治下の沖縄・那覇で述べた言葉が引かれている。

「沖縄が本土から分かれて20年、私たち国民は沖縄90万のみなさんのことを片時たりとも忘れたことはありません。......私は沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって『戦後』が終わっていないことをよく承知しております。これはまた日本国民すべての気持ちでもあります」

元山は15日には沖縄に帰り、復帰50周年記念式典が開かれる宜野湾市の沖縄コンベンションセンター前でもハンガーストライキを行う予定だ。

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