最新記事

イギリス

辞任表明の英ジョンソン首相、蠟人形は早くも「職安」に移動させられてしまう

Madame Tussauds Trolls Boris Johnson By Placing His Statue Outside A Job-Seeking Centre

2022年7月9日(土)19時21分
ビニタ・ジェイコブ
ボリス・ジョンソン首相

首相官邸前で辞任を発表するジョンソン首相(2022年7月7日) Phil Noble-REUTERS

<7日に辞任を表明したものの秋まで首相にとどまるとした英ジョンソン首相だが、彼の蠟人形はいち早くその座から追いやられてしまった>

マダム・タッソー館は世界中の有名人や、歴史上の人物らを再現した蝋人形が展示されているロンドンの観光名所。その英中部ブラックプールにある分館に展示されていた英ボリス・ジョンソン首相の蝋人形館が意外な場所に移動されていた。

ジョンソン首相は7月7日に辞任の意向を示したが、次の保守党党首が決まる秋までは首相の座にとどまると発表している。だが彼の人形はいち早くマダム・タッソー館の首相官邸から追い出されたようで、なんと近くにある求職者のためのセンターの前に運ばれていた。

■【写真】求職センターの前に移動させられ、立ち尽くすジョンソン首相の蠟人形

センターの前の道路では多くの通行人が足を止め、「失業した58歳の首相」と記念撮影をする姿が見られた。トレードマークであるぼさぼさの髪型で、腰に手を置いたポーズを決めてニヤリと笑う人形がマダム・タッソー館から運び出されたのは、ジョンソンが辞任を表明した直後のことだという。

ロンドンの本館では官邸が「空室」に

イギリスのEU離脱から度重なるスキャンダルまで、国民に数々の話題を振りまいてきたジョンソン首相の辞任を「ネタ」にしたのは、ブラックプールの分館だけではなかった。ロンドンのマダム・タッソー館では、ダウニング街10番地にある首相官邸のドアに「空室」の張り紙が貼られた。

ジョンソン本人は、本物のダウニング街10番地のドアの前で7日に辞任を発表する記者会見を行い、「議会保守党が新たな党首と首相を求めていることが明らかになった」と述べた。「新たなリーダーを選ぶ手続きは今すぐ開始されなければならない」

また辞任することは「苦痛だ」と語ったジョンソンだが、辞任につながった一連のスキャンダルについて説明することはなかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米のウクライナ支援債発行、国際法に整合的であるべき

ワールド

中ロ声明「核汚染水」との言及、事実に反し大変遺憾=

ビジネス

年内のEV購入検討する米消費者、前年から減少=調査

ワールド

イスラエル、ラファに追加部隊投入 「ハマス消耗」と
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇跡とは程遠い偉業

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 6

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 7

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 8

    半分しか当たらない北朝鮮ミサイル、ロシアに供与と…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中