ニュース速報

NY市場サマリー(23日)

2019年01月24日(木)07時43分

[23日 ロイター] - <為替> 終盤で、ドルが対主要通貨バスケットでやや下落。貿易問題や世界経済を巡る不透明感が広がって短期のドル相場見通しを圧迫、狭いレンジ取引となった。米政府機関の一部閉鎖も投資家の不安を強めた。

ドル指数<.DXY>は0.19%安の96.119。直近2週間で1%近く上昇した。

モルガン・スタンレーの世界為替戦略部門責任者は顧客向けリポートで「9日に付けた安値からのドル反発も終わったようだ。特に住宅や企業投資など金利に敏感とされる部門で、米景気指標が脆弱さを示しているからだ」と分析した。

日銀が刺激策を維持したことを受け、ドルは対円で0.2%上昇した。

英ポンドは10週間ぶりの高値を付けた。野党労働党が、無秩序な合意なき欧州連合(EU)離脱回避に向けた議員の取り組みを支持すると表明した。

為替トレーダーは24日の欧州中央銀行(ECB)理事会に注目。ユーロ圏経済への脅威増大を認めるとみられている。

<債券> 国債利回りが上昇。前日の株安が一服したことで安全資産とみられる国債への買いが薄れた。ただ景気減速や貿易摩擦を巡る懸念は根強い。

政府機関の一部閉鎖が続く中、経済指標の発表も滞っていることから、相場は引き続き狭いレンジ内で推移する見込み。

米中通商交渉は期限となる3月1日に向け依然話し合いが続いている。トランプ大統領は23日、交渉は順調に進んでいるとの認識を示したほか、米経済諮問委員会(CEA)のケビン・ハセット委員長は、期限までに通商合意にこぎ着けられると自信を示した。

こうした中、中国の王岐山国家副主席は23日、中国経済は持続的な成長を達成できると述べるとともに、中国は経済が拡大サイクルの終盤に差しかかっているとは認識していないと強調、景気失速を巡る懸念の払拭に努めた。

10年債利回りは2.753%と、前日から2.1ベーシスポイント(bp)上昇した。前週末には2.799%と3週間の高水準を付けていた。

<株式> 小反発して取引を終えた。好調な企業決算が支援材料となったが、貿易摩擦や政府機関閉鎖を巡る懸念がくすぶり、上値は限定的となった。

主要株価3指数はいずれもプラス圏で引け、IBM、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ユナイテッド・テクノロジーズなどの好決算を手掛かりにダウ工業株30種の上昇率が3指数の中で最大となった。

一方、米中貿易摩擦の影響が広がる中、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席している企業の首脳らがトランプ米大統領の政策に対する信頼感を失いつつあるとの報道が投資家心理の重しに。

IBMは8.5%急伸。クラウドやソフトウエア事業などが好調で第4・四半期利益が市場予想を上回ったほか、2019年の利益見通しも市場予想より良好だった。

P&Gも4.9%高。値上げや堅調な需要が寄与して10─12月期決算が市場予想を上回った。通期の売上高見通しを引き上げたことも好感した。

ユナイテッド・テクノロジーズは5.4%高。第4・四半期の利益が市場予想を上回ったことなどが手掛かりとなった。

コムキャストも予想を上回る決算や増配を好感して5.5%上昇。

半面、テスラは3.8%安。「モデルS」と「モデルX」の生産時間を短縮すると発表したことが嫌気された。同社は数日前に人員削減を発表したばかり。

フォード・モーターが引け後に発表した第4・四半期決算は赤字に転落。北米以外のすべての地域で赤字となり、業績を圧迫した。

<金先物> 朝方にまとまった売りが出たものの、あと買い支えが入り、横ばい圏に戻した。中心限月2月物の清算値は前日比0.60ドル(0.05%)高の1オンス=1284.00ドル。

トランプ米政権が今月末に予定される米中閣僚級協議に向けた準備会合を拒否したとの報を受け、前日は通商摩擦の緩和期待が後退。しかし、その後に米政府高官が同報道を否定したため、この日は投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、世界的に株価が持ち直した。海外市場の流れを引き継ぎ、米国株も高寄りする中、金塊相場はまとまった売りに押され、午前の早い段階で一時1277.70ドルの安値を付けた。

しかし、外国為替市場でドルがユーロに対して弱含みに転じると、割安感の生じた金塊を買い支える動きが台頭し、前日清算値付近の水準を回復。米連邦政府機関の一部閉鎖が長期化し、経済成長を下押しするとの懸念が広がり始めているほか、世界的な景気減速リスクが依然くすぶっていることも安全資産とされる金塊買いを後押しした。

<米原油先物> 朝方まで堅調に推移していたものの、その後は売りが優勢となり、続落。この日から中心限月に繰り上がった米国産標準油種WTI3月物の清算値は前日比0.39ドル(0.74%)安の1バレル=52.62ドル。4月物は0.38ドル安の52.92ドルだった。

ロイター調査によると、18日までの1週間の米原油在庫は前週比40万バレル減と、3週連続の取り崩しとなる見込み。また、米エネルギー情報局(EIA)が前日、今後数年のうちに米シェールオイル生産の伸びが鈍化するとの見通しを発表したことを受けて、需給引き締まりへの期待が広がる中、朝方の原油相場は堅調に推移していた。これに加え、外国為替市場でドルが対ユーロで下落し、ドル建てで取引される原油に割安感が生じたことも相場を支援していた。

しかしその後、米株相場が下落に転じたことから、株と並んでリスク資産とされる原油も売りを浴び、相場はマイナス圏に沈んだ。また、フランスのルドリアン外相はこの日、米国によるイラン制裁を回避する形でイラン産原油を取引するため、ドル建てでない欧州支援型の取引システムを「数日中に」構築する見込みだと表明。これを受け、対イラン制裁に伴う供給逼迫(ひっぱく)観測が一部後退したことなども下押し材料となった。

ドル/円 NY終値 109.59/109.61

始値 109.64

高値 109.99

安値 109.40

ユーロ/ドル NY終値 1.1380/1.1382

始値 1.1363

高値 1.1396

安値 1.1351

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 105*31.00 3.0678%

前営業日終値 106*07.50 3.0550%

10年債(指標銘柄) 17時05分 103*06.50 2.7498%

前営業日終値 103*11.50 2.7320%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*06.00 2.5841%

前営業日終値 100*08.25 2.5690%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.63 2.5891%

前営業日終値 99*27.38 2.5770%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 24575.62 +171.14 +0.70 <.DJI>

前営業日終値 24404.48

ナスダック総合 7025.77 +5.41 +0.08 <.IXIC>

前営業日終値 7020.36

S&P総合500種 2638.70 +5.80 +0.22 <.SPX>

前営業日終値 2632.90

COMEX金 2月限 1284.0 +0.6 <0#GC:>

前営業日終値 1283.4

COMEX銀 3月限 1538.0 +5.5 <0#SI:>

前営業日終値 1532.5

北海ブレント 3月限 61.14 ‐0.36 <0#LCO:>

前営業日終値 61.50

米WTI先物 3月限 52.62 ‐0.39 <0#CL:>

前営業日終値 53.01

CRB商品指数 178.6572 ‐0.3328 <.TRCCRB>

前営業日終値 178.9900

*内容を追加しました。

ロイター
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