ニュース速報

NY市場サマリー(21日)

2019年05月22日(水)07時14分

[21日 ロイター] - <為替> ドルがユーロと円に対して上昇。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]に対する規制について、トランプ米政権が一時緩和したことを受けた。

ただ、モルガン・スタンレーの外為戦略責任者、ハンス・レデカー氏は「アジアの株式市場は報道を好感したが、上昇継続は限定的で、不透明感はなお強い。この不透明感で企業は既存の設備投資計画を縮小する可能性がある」と指摘した。

ドル高のほか、ユーロ懐疑派が議席を増やすとみられる欧州議会選を控え、ユーロは下落している。

ドルは英ポンドに対しても上昇。英国のメイ首相はこの日、6月上旬に予定している欧州連合(EU)離脱案の4回目の採決に向け新たな提案を示し、離脱を巡る国民投票再実施の可能性に言及するなどした。[nL4N22X3UU]このニュースを受けて、ポンドは当初急伸したが、その後上昇分を消した。

<債券> 国債が売られ、利回りがやや上昇した。米政府が事実上の輸出禁止規制を導入した中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.U]に対する猶予措置を発表したことで、米株価が上昇すると同時に、全般的なリスク選好度が回復したことが背景。

この日は連邦準備理事会(FRB)当局者が、貿易戦争にもかかわらず米経済は想定よりも安定していることを示唆。目先の利下げ観測が後退し、短期債の売りにつながった。

ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の米金利戦略部門責任者、スバドラ・ラジャッパ氏は「利下げ観測はやや後退した」とし、「10月までの利下げの確率は65%とみていたが、現在は50%まで低下した」と述べた。

<株式> ハイテク株中心に上昇して取引を終えた。米国が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する規制措置を一部緩和したことを受け、同セクターの企業業績を巡る懸念が後退した。

ファーウェイに製品供給するインテル、クアルコム、ザイリンクス、ブロードコムが1─4.6%上昇。これまで3日続落していたフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)<.SOX>は2.1%高となったほか、S&Pハイテク株指数<.SPLRCT>は1.2%上昇した。

ただ、この日の上昇分を勘案しても、S&P総合500種は月間ベースで今年初めての下落となる見通し。米中貿易戦争が長期化するとの懸念から、5月1日に付けた過去最高値から約3%低い水準にある。

個別銘柄では、四半期決算が予想に届かなかった百貨店のコールズとJCペニーが下落。

<金先物> 米中貿易協議の行方に注目が集まる中、小反落した。

米商務省は20日、中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置を一部緩和すると発表。ソフトウエアの更新や不具合の修正に関連した業務を中心に、8月19日までの3カ月間、暫定的に米企業などとの取引を容認するとした。これを受けて投資家のリスク回避姿勢が緩み、金塊相場は朝方にかけてじりじりと下落。一時は1269.00ドルの安値を付けた。

<米原油先物> 中東の地政学的リスクの高まりが支援材料となった半面、ドル高・ユーロ安基調の継続に伴う割高感などに圧迫され、ほぼ横ばいとなった。

米イラン間の軍事的緊張の高まりで、中東からの原油供給に不安が広がる中、相場は前日夕から朝方にかけて堅調に推移していた。また、石油輸出国機構(OPEC)の盟主サウジアラビアが年末までOPEC主導による現行の協調減産を続ける意欲を示したとの一部報道も相場を下支えしていた。

ただ、外国為替市場ではこの日もドル高・ユーロ安基調が継続。また、米中貿易交渉の行方に不透明感が広がる中、二大経済大国によるエネルギー需要の先細り懸念がくすぶっていることも相場の重しとなった。

ドル/円 NY終値 110.49/110.52

始値 110.27

高値 110.67

安値 110.27

ユーロ/ドル NY終値 1.1158/1.1163

始値 1.1144

高値 1.1187

安値 1.1144

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 100*19.00 2.8454%

前営業日終値 100*26.00 2.8350%

10年債(指標銘柄) 17時01分 99*17.00 2.4281%

前営業日終値 99*21.00 2.4140%

5年債(指標銘柄) 17時04分 100*03.25 2.2280%

前営業日終値 100*07.00 2.2030%

2年債(指標銘柄) 17時04分 99*31.50 2.2579%

前営業日終値 100*01.63 2.2230%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 25877.33 +197.43 +0.77 <.DJI>

前営業日終値 25679.90

ナスダック総合 7785.72 +83.35 +1.08 <.IXIC>

前営業日終値 7702.38

S&P総合500種 2864.36 +24.13 +0.85 <.SPX>

前営業日終値 2840.23

COMEX金 6月限 1273.2 ‐4.1 <0#GC:>

前営業日終値 1277.3

COMEX銀 7月限 1441.0 ‐3.5 <0#SI:>

前営業日終値 1444.5

北海ブレント 7月限 72.18 +0.21 <0#LCO:>

前営業日終値 71.97

米WTI先物 6月限 62.99 ‐0.11 <0#CL:>

前営業日終値 63.10

CRB商品指数 181.9678 +0.2638 <.TRCCRB>

前営業日終値 181.7040

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

企業向けサービス価格3月は2.3%上昇、年度は消費

ビジネス

スポティファイ、総利益10億ユーロ突破 販促抑制で

ビジネス

欧州委、中国のセキュリティー機器企業を調査 不正補

ビジネス

TikTok、簡易版のリスク評価報告書を欧州委に提
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中