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スイス中銀のマイナス金利免除拡大、銀行負担はほぼ半減か
[チューリヒ 19日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は19日、主要政策金利を据え置くとともに、銀行の準備金に対するマイナス金利適用免除の範囲を拡大することを決めた。これによって銀行の手数料負担はほぼ半減する可能性がある、と市場関係者は試算している。
これまで法定準備金の20倍相当までマイナス金利を免除してきたが、11月1日からは25倍に引き上げられる。新ルールは毎月修正が可能となる。
クレディ・スイスのエコノミスト、マキシム・ボテロン氏は「不完全なデータに基づいてわれわれが見積もったところでは、追加的にマイナス金利を免除される準備金の規模は1130億スイスフラン前後となり、国内銀行の手数料支払額は年間14億フランから8億4000万フランに減少するだろう」と述べた。
さらに「外銀などを含めた昨年の手数料支払額は20億フラン近くに達したので、今回の措置で節約できる金額はもっと大きくなるかもしれない」と付け加えた。
一方キャピタル・エコノミクスのデービッド・オクスレー氏は、SNBがこうした決定を下した動機は不明だが、1つの可能性として考えられるのはマイナス金利で資産の利益率が急激に縮小している州規模や地域規模の銀行などに救いの手を差し伸べたということだと指摘。またこれで将来の利下げに道が開かれたとの見方を示した。