ニュース速報
ビジネス
ECBの債券購入策年内終了は磐石、焦点は金利の道筋=関係筋
5月25日、ECB債券購入策の年内終了は磐石と、関係筋の話で明らかになった。写真はドラギ総裁。フランクフルトで4月撮影(2018年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
[フランクフルト 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は経済成長が軟調となるなかでも債券買い入れプログラムを年内に終了させる軌道から外れていないが、利上げを示唆するにあたり今後は一段と慎重になる可能性があることが複数の関係筋の話で明らかになった。
関係筋は匿名を条件に、このところのソフトデータから経済成長は踊り場に差し掛かっている可能性があることが示されており、成長は低速にギアチェンジした可能性があるものの、それでも経済は潜在能力以上に稼動し、物価も上昇し続けると指摘。原油価格の上昇とユーロ相場の下落を受け、ECBは来月、ユーロ圏の一部の総合インフレ率見通しを引き上げる可能性があるとの見方を示した。
ただ、ECBは次回のスタッフ予想でコアインフレ率の見通しは大きく変更せず、一部の成長率見通しを引き下げる可能性があるとの見方が出ている。
総合インフレ率が上向けばECBの債券買い入れ策の終了が後押しされるが、関係筋はECBは引き続きコアインフレ率に焦点を当てていると指摘。債券買い入れプログラムについては、短期間の「テーパリング(段階的縮小)」を経た後に終了させるとの方針でECB当局者の間では通常あまり見られない見解の一致があるとし、ECB内の討議の焦点は将来的な金利の道筋となっていると述べた。
市場では、ECBは債券買い入れ策を終了させてから約6カ月後に利上げに着手するとの見方が出ているが、関係筋は成長を巡る環境が一段と弱体化すれば、利上げ開始時期は後ずれし、利上げの軌道も緩やかなものになる可能性があるとの見方を示した。
関係筋は現時点ではまだ何も決定されておらず、債券買い入れ策の今後についても7月26日の理事会まで何も決定されない公算が大きいとしている。
ECBはコメントを控えている。
*写真を追加して再送します。