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豪就業者数、2月も堅調な伸び続く 失業率はやや悪化

2018年03月22日(木)15時35分

 3月22日、オーストラリア連邦統計局が発表した2月の雇用統計では、就業者数が1万7500人増加し、フルタイム就業者数の急増を背景に堅調な伸びを維持した。写真はシドニーで15日撮影(2018年 ロイター/David Gray)

[シドニー 22日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が22日発表した2月の雇用統計では、就業者数が1万7500人増加し、フルタイム就業者数の急増を背景に堅調な伸びを維持した。ただ、職探しをする人が増えたため、失業率は上昇した。

就業者数の市場予想は2万人の増加だった。増加は17カ月連続で、1978年の統計開始以降、過去最長を記録した。

雇用の伸びは年率で3.5%と、米国の1.6%の2倍以上となった。2月のフルタイム就業者数は6万4900人の大幅増。

一方、失業率は5.6%と、1月の5.5%から上昇。過去10カ月間、5.4─5.6%のレンジで推移している。

労働参加率は65.7%と、2011年初め以来の高水準。女性の就業が増えたことが要因。

就業者が需要に見合う形で増えているため、賃金や物価への上昇圧力が後退し、短期的にオーストラリア準備銀行(中央銀行)による利上げの引き金となる可能性もなくなった。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ポール・デールズ氏は「全体の余剰生産能力が縮小していないことに失望させられた」と述べ「今回の数字は、妥当な賃金の伸びにより中銀が年内利上げを行う、との期待を打ち砕く」と説明した。

中銀のロウ総裁は今月、賃金の伸びが雇用創出ペースを大きく下回るなか、利上げを強く主張する根拠は見当たらないとの見解を示した。

不完全雇用率は8.4%で高止まりしている。ウエストパック銀行のエコノミスト、サイモン・マリー氏は、高い不完全雇用率と5.6%の失業率を踏まえると、労働市場には依然かなりの緩みがある、と説明し、その状態が続く限り賃金の伸びが大きく加速することはない、との見方を示した。

金利先物<0#YIB:>が織り込む利上げ確率はほとんど変わらず、12月までの利上げ確率は五分五分とみられている。

*内容を追加しました。

ロイター
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