コラム

【人生相談】娘の服装が「セクシー過ぎ」だといけないの?(夫は反対するけど)

2020年01月12日(日)12時00分

PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTO BY SANNEBERG/ISTOCK/GETTY IMAGES PLUS

<学校に行くとき以外、ショートパンツにホルタートップ。好きな格好をさせるのは間違いですか──。米小説家ミシェル・ハーマンのアドバイスは?>

Q:私はロサンゼルスに住んでいます。ティーンエージャーの娘2人は制服のある学校に行くとき以外、友人たちと同じくショートパンツにホルタートップという格好をしたがります。夫はそれに反対し、母親の私が服装を管理すべきだというのです。でも、娘たちの格好が「セクシー過ぎる」という批判には、性差別的な考えが透けて見えて、抵抗を感じます。私は場にふさわしい格好をするよう、危ない目に遭わないよう気を配ってはいます(不快な視線を感じたときのためにトレーナーを持ち歩いて、と娘たちには言っています)。

こうした自分の気持ちを夫にうまく説明できません。胸の谷間が見えようと超ミニだろうと、好きな格好をさせるのは間違いですか。

── 自信ある女性を育てたい母

A:ティーンエージャーの娘さんたちが言われるままに「場にふさわしい格好」をし、常にトレーナー持参とは驚きです。お伝えしておかなければなりませんが、それも長くは続かないでしょう。10代の子の服装を管理するなんて、無理な相談です。

たとえ管理できたとしても、夫の考えに潜む性差別に抵抗を感じるのは全く当然です。娘さんたちの体は彼女たち自身のもの。好きな服を身に着ける権利があります。あなたは間違っていないばかりか、夫に対して自分を正当化する必要もありません。

あなたは女性の身体をめぐる原則を本能的に理解しています。それを夫に説明するよりも(彼は娘の身体を管理するのは娘自身という考え方自体に抵抗するでしょうから)、問題は女性が何を着るかではないと言ってみてはどうでしょうか。問題は余計な干渉をする男性にあります。

今日から共に、誰もが理解するまで何度でも声を上げ続けましょう。女性が危険な目に遭うのは服装ではなく、女性に対する男性の振る舞いのせいだ、と。

── ミシェル・ハーマン(小説家、スレート誌人生相談員)

©2019 The Slate Group

<2019年12月24日号掲載>

▼あわせて読む
【人生相談】「母娘関係に正解はある?」1人が好きな娘にやきもきしてます
【人生相談】「僕は30歳の異性愛者で、童貞」不安な自分の卒業方法

20200114issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月14日号(1月7日発売)は「台湾のこれから」特集。1月11日の総統選で蔡英文が再選すれば、中国はさらなる強硬姿勢に? 「香港化」する台湾、習近平の次なるシナリオ、日本が備えるべき難民クライシスなど、深層をレポートする。

プロフィール

スレート誌人生相談員

育児や家庭生活から人間関係、セックスまで、誰にも言えないあらゆる悩みに米作家やライターが答えます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

無視できない大きさの影響なら政策変更もあり得る=円

ビジネス

ECB当局者、6月利下げを明確に支持 その後の見解

ビジネス

米住宅ローン金利7%超え、昨年6月以来最大の上昇=

ビジネス

米ブラックストーン、1─3月期は1%増益 利益が予
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story