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シリーズ日本再発見

日本の免税店で外国人旅行者は何を買っているのか

2018年09月07日(金)16時45分
高野智宏

実際、中国では加熱式たばこ、特にIQOS(アイコス)が有名でとても人気があると、新宿・歌舞伎町の中国料理店「湖南菜館」のオーナーであり、訪日中国人の動向に詳しい李小牧氏も証言する。「私が経営するレストランには中国からの旅行者もたくさん来るが、そのお客さんたちが吸っているのもよく見かける」

そのからくりとしては、正式には販売されていないものの、加熱式たばこがネットでは高値で売買されているという実態があるようだ。

免税店は海外展開を目指すうえで重要な拠点

確かに中国人の購買者が多いと、李氏の言葉を裏付けるのが、日本たばこ産業(JT)で免税店営業を担当する田沼宏崇氏と永沼望海氏だ。

JTは今年3月に成田空港の出国手続後エリアに自社の加熱式たばこ、プルーム・テックの専門店「プルーム・ショップ成田空港店」をオープン。国内に17店あるプルーム・ショップ(他は非免税店)の中で売り上げがトップになるなど好評を博しており、外国人の中では中国人の購買が断トツに多い。

「自分で試すためだったり、お土産用だったり。デバイスとカプセルをまとめ買いされる中国のお客様もいる」と、永沼氏は言う。

しかし、前述のとおり母国でのリフィル(たばこカプセル)購入がネットでの転売で限定される中国で、日本製の加熱式たばこがなぜここまで人気なのか。

「日本の新しい製品、新しいたばことして注目されています。実際に試喫した方からは、においが少なく、メンテナンスが必要ないこと、そして、味も良いと評価をいただいています」(永沼氏)

プルーム・テックは7月から、成田空港の専門店だけでなく、日本の主要空港の免税店でも取り扱いが始まっている。現在は日本に加え、スイス、アメリカ、カナダの一部地域で販売が始まっているが、ここまで免税店に力を入れる理由は何なのだろうか。

「さらなる海外展開を目指すうえで、"世界への窓口"である空港は、訪日外国人のお客様に対する認知度を高めるために重要な拠点です。海外にもプルーム・ブランドを広げていきたい」と、田沼氏は説明する。

化粧品にウイスキー、さらには加熱式たばこと、"安全・安心"なメイド・イン・ジャパンの日本製品が、日本のインバウンド市場拡大にひと役買っているようだ。

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