ジャニーズ問題と天皇制
芸能のルーツ
芸能というものは、中世の日本の身分制度のなかで「賎民」と位置付けられた集団のなかから生まれたことは、よく知られている。河原者と呼ばれた彼らは生産手段を持たず、博打や売春といった裏稼業のほか、歌や踊りなどの芸能に従事する者もいた(その意味で、ヤクザと芸能は同根と言う人もいる)。
被差別民であった彼らは、マジョリティーの暮らす一般社会から切り離された異形の人々と見做された。近代以降、身分制度は解体されたが、良くも悪くも「芸能界は特別な世界」「自分たちとは違う人たち」という認識は昭和〜平成頃まで根強く残り続けた。
枕営業(というとソフトに聞こえるが、要するに性行為の強要)については「芸能界はそういうもの」の一言で長年見過ごされ、社会的に黙認するコンセンサスが成立していたとも言える。枕営業だけでなく、暴力団とのつながりや薬物使用についても、同様だった。
そのコンセンサスが平成〜令和にかけて崩れていったのはなぜなのか。「芸能人だからといって特別扱いすべきではない」「芸能界の悪弊を改めねばならない」という意識はどこから芽生えてきたのだろうか。
答えは、「天皇」にある。
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