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【写真特集】カンボジアに狂乱を呼ぶチャイナマネー
CHINA MONEY ADDICTION
Photographs by JOHN VINK
開発が進む首都プノンペンのコーピッチ地区。周辺の高層ビルはどれも過去10年以内に建てられたもので、川岸には開発地区から立ち退かされた貧困層が暮らす
<中国から流れ込む巨額の投資マネーでカンボジアは今、大きく姿を変えつつある>
古い街並みは高層ビルや大型商業施設、高級住宅街に様変わりし、道路や港の急速な整備が進み、リゾート地には新たなカジノが続々と誕生――。長年にわたる苦難の時代を経験し、現在も東南アジアの最貧国の1つであるカンボジアは今、大きくその姿を変えつつある。
背景にあるのは、中国から流れ込む巨額の投資マネーだ。中国にとってカンボジアは、地政学的に重要な意味合いを持つ。習近平政権が推進する一帯一路構想の戦略拠点となるだけでなく、南シナ海の領有権問題をめぐって対立するASEANを内部から切り崩す「駒」にもなる。
一方、1985年から続くフン・セン首相によるカンボジア独裁政権にとって、中国は最大の庇護者。今年の上院選、下院選とも与党が全議席を独占したが、野党党首の逮捕や野党への解散命令のような強引な政治手法に口は出さずカネを出す中国は、民主化を求める欧米より都合のいいパートナーだ。
こうした両国の思惑が一致した結果がカンボジアの激変だ。ただし乱立する高級物件の買い手は中国人投資家ばかりで、地元経済や住民への恩恵はわずかとの指摘もある。中国への依存は、この国に本当の成長をもたらすことができるのか。
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