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【写真特集】中国ワインは砂漠から世界へ

2019.07.05

Photographs by MATILDE GATTONI

    【写真特集】中国ワインは砂漠から世界へ

    中国の寧夏回族自治区・銀川市にある「シルバーハイツ」ワイナリーのブドウ畑で雑草を駆除するために放牧されるヤギ

    <寧夏は今やゴールドラッシュを彷彿させる開拓者であふれている>

    昼近くになっても、中国内陸部の広大な平原はやや肌寒い。辺りに漂う霧の間から見える山脈は絶景だ。秋はブドウの収穫が真っ盛り。数十人の女性たちがジーンズや薄手のジャンパー、それに色とりどりのスカーフをまとうのは、ここがイスラム教徒の地、寧夏回族自治区の銀川郊外だからだ。

    20年以上前には貧農が寄り添っていた砂漠地帯が、今ではワインの新天地になった。子供の頃、砂漠で遊んだというレン・ヤンリンはフランスのワインメーカー、ペルノ・リカールで働く。彼女は中国にワイン革命をもたらした1人だ。寧夏には現在、4万ヘクタール以上のブドウ畑と199の醸造所があり、ビンテージワインを中心に年10万本近く生産している。

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    寧夏ワインは既にいくつかの国際的な賞を受賞しており、欧米や中東のドバイ、香港など一流のレストランでも味わえる。

    80年代に中国ワイン革命が始まった当時は、あまり前途有望とは言えなかった。その当初の目的は、コーリャンなど数百万トンの貴重な食糧が中国古来の蒸留酒、白酒に使われるのを防ぐことだった。当局は「体にいい」とワインを盛んに宣伝し始めたが、農家や酒造業者にとっては未知の酒だった。

    「当時、中国はブドウジュース、甘味料、アルコールの混合物をワインと呼んでいた」と語るのは、定評あるカナンワイナリーで働く周淑珍(チョウ・シューチェン)だ。教師だった周は83年にワイン醸造訓練を受けた9人のうちの1人。地元のブドウを使った赤ワインはアルコール度数の高い超辛口で、どす黒いが風味はなかった。地元の役人から「しょうゆのほうがまし」との評価を受け、結局、市場でスモモと引き換えに処分したという。

    こうした苦労を乗り越え、寧夏のワイン産業は、地方当局の指示の下、その後数十年間発展を続けた。砂漠を土壌改良し、ヨーロッパから輸入したブドウの木を植え、黄河から水を引いてきた。当局は研究のための奨学金を提供し、国際ワインコンクールを主催。ワイン農家に土地を安く提供し、外国人コンサルタントを雇い始めた。

    特に07年頃から急成長し、今では寧夏で石炭に次ぐ主要産業となった。「前代未聞の進歩だ」と、12年以来寧夏で働くスペイン人ワイン学者のホセ・エルナンデス・ゴンサレスは言う。

    中国のいくつかのワイン産地の中でも、寧夏は豊かな土壌と標高の高さに恵まれている。日照時間が長く降水量が少ないことから、農薬もあまり必要としない。カベルネ・ソービニヨンを主体に、生産量の約9割を赤ワインに特化している。ワイン産業の歴史が浅く、ほとんどのブドウの木は20年もたっていないことを考えると、品質の高さに驚かされる。複雑さや骨格に欠けるが、その果実味や新鮮さ、そしてミネラル感は抜群だ。

    寧夏は今やゴールドラッシュを彷彿させる開拓者にあふれている。資金はないが熱心なワイン愛好家によるトタン造りの醸造所もあれば、フランス風の壮麗なシャトーもある。広大なブドウ畑に囲まれた「シャトー・チャンユー・モーザーXV」は総工費7000万ユーロのおとぎの城だ。

    このシャトーは、中国で最も古いワイン業者と、オーストリアの醸造家レンツ・モーザーとの合弁事業。モーザーはここを数年以内に世界最高のワイナリーに変えたいと考えている。「既に25カ国以上に輸出しており、さらにグローバル化したい。中国ワインが中国国内で成功するには、まずは世界標準になっておく必要がある」


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    賀蘭山麓の「賀蘭晴雪」ワイナリーでブドウを収穫する季節労働者たち


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    「賀蘭晴雪」ワイナリーでカベルネ・ソービニヨンの仕分けをする労働者


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    中国の最大手家電メーカー・美的集団が総工費2800万ドルで建設したシャトー


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    寧夏のワイナリー業界代表としてワイン革命を主導する郝林海(ハオ・リンハイ)(銀川)


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    果汁をテイスティングする「賀蘭晴雪」ワイナリーの創立者、張静(チャン・チン、右)

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