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【写真特集】北米コロラド川の水と命が枯れる
NO AGUA, NO VIDA
Photographs by JOHN TROTTER
ラスベガス近郊にあるフーバー・ダムと、そのダム湖であるミード湖。コロラド川の水の使用に関する会合でも、この巨大なダムの在り方が重要なテーマとなっている
<既にコロラド川は、中流での大量の水の使用によって河口付近ではほとんど水が流れない状態にある>
コロラド川はアメリカ南西部からメキシコを通り、カリフォルニア湾に至る大河。その豊かな水は流域の大都市圏の生活や農業を支えてきた。だが11年からこの川の流域で撮影を続けるジョン・トロッターの作品は、ダムや用水路など長年にわたる人為的な変化と、気候変動がもたらした水量の減少を描き出す。
既にコロラド川は、中流での大量の水の使用によって河口付近ではほとんど水が流れない状況にある。さらに08年には専門家チームが、全米最大級のフーバー・ダムのダム湖であるミード湖が21年までに水が流れ出ない「デッド・プール」になる可能性は50%に上ると指摘。そうなれば、下流での水不足の影響は破滅的なものになる。
トロッターは現在、危機が最も差し迫ったアリゾナ州で撮影を行っている。州都フェニックスにいても、危機の深刻さは実感しにくい。ただ状況が改善されなければ水不足はいずれ、現在も人口が増加し続ける大都市の生活を支え切れなくなる。
影響は流域にとどまらない。この川の水で栽培された農作物は全米に出荷されている。生きるために不可欠な水の供給と文明的な生活のバランスについて、人類は真剣に考えるべきときにきているのかもしれない。