- HOME
- Picture Power
- 【写真特集】ニューヨークが生む偶然でない偶然
【写真特集】ニューヨークが生む偶然でない偶然
COINCIDENCES: NEW YORK BY CHANCE
Photographs by JONATHAN HIGBEE
<同じ空間に存在する「静と動」が交差する瞬間に、偶然の構図が生み出され、非現実的な世界がつくられる>
ニューヨークの街中にあふれる広告の看板や標識、通りの壁に描かれたデザインや落書き。そして、そこを行き交うビジネスマンや家路を急ぐ女性――。同じ空間に存在する「静と動」が交差する瞬間に、偶然の構図が生み出され、非現実的な世界がつくられる。
世界屈指の大都市で、まるでコレオグラフィー(振り付け)のような作品を作り上げた写真家ジョナサン・ヒグビー。だが彼は、ただ幸運に恵まれていただけではない。「偶然の一枚」を手にするために、時に4カ月も費やしたのだから。
「誰のアドバイスだったか、決定的な瞬間を捉えたと思っても、そこに何度も通いシャッターを切れという。その教えを守ったら、ウォール街でお気に入りの一枚が撮れた」
住み始めた頃、どこを見ても目に入る広告に大量消費社会への抵抗を覚えた。だが、撮影を通じてそんな側面を持つニューヨークを楽しむようになった。総制作期間5年。撮り続けた彼に、この街がコスモポリス流のコラボを見せてくれたのかもしれない。
ジョナサンの最新写真集「COINCIDENCES: New York by Chance」は11月5日に発売される。
Photographs from "COINCIDENCES: New York By Chance" by Jonathan Higbee, published by Anthology Edition
この筆者のコラム
【写真展】情景の「やまびこ」が日本とカナダで共鳴する 2024.04.03
【写真特集】青いシートが可視化した 不可視の人々 2024.01.23
【写真特集】ウクライナ戦争、フォトジャーナリスト93人の証言 2023.11.10
【写真特集】相撲少女の情熱に魅せられた写真家の切なる願い 2023.10.27
【写真特集】香港から脱出した写真家が最後に描いた 今はなき故郷 2023.10.25
【写真特集】ポーランドの露骨すぎる難民選別 2023.09.02
【写真特集】破壊の下に横たわるトルコ1万年の歴史 2023.08.26