Picture Power

【写真特集】分断の街ニューヨークの分断された視点

THE POLARIZED CITY

Photographs by Q.SAKAMAKI

2020年10月30日(金)18時20分

ppny06.jpg【治安の悪化】地下鉄駅構内で起こったストリートファイト
<共和党支持者>民主党の施政者たちによる手ぬるい取り締まりが犯罪を増加させている。特に、大規模なBLM運動の発生以後、警官の時間外勤務削減によるマンパワー不足と職業意識の低下で、日常の犯罪に対して警察力が発揮できていない
<民主党支持者>国家を分断する政策、警察の人種差別的な暴力、経済の失速など、トランプ政権による愚策によって犯罪が増加している。コロナ禍がその状況に追い討ちをかけたことで、さらに治安が悪化した


ppny07.jpg【国のための犠牲】ベトナム戦争で負傷したアメリカ人兵士が寄付を求める
<共和党支持者>トランプが戦死した兵士を「負け犬」と呼んだ、負傷兵を「誰も見たくないから」と軍事パレードの行進から外した、とする報道はフェイクニュース。リベラル派のメディアは信用できない
<民主党支持者>その発言の裏付けは複数の報道機関が取っている。戦死した兵士や負傷兵はアメリカのために犠牲を払った偉大なる英雄だ。トランプに国を率いる資格はない


ppny08.jpg【司法】9月に亡くなった最高裁判事ルース・ギンズバーグを悼む人々
<共和党支持者>ギンズバーグの死去で欠員が生じている最高裁判事をすぐさま任命し、常に論争になっている人工妊娠中絶、同性婚などについて、判断を保守寄りなものへと戻したい
<民主党支持者>任命は11月に当選した新大統領が行うべきだ。トランプが指名した保守派のエイミー・バレットが任命されれば、これまで女性やマイノリティーが勝ち取ってきた権利の多くが失われる恐れがある


ppny09.jpg【歴史認識】コロンブス像と、アメリカ先住民虐殺に対する抗議運動
<共和党支持者>公共の場にあるクリストファー・コロンブス像をはじめ、南北戦争時の南軍の将軍像や記念碑などは、アメリカの英雄たちの歴史的遺産だ。軍隊を出動させてでも、断固保護するべきだ
<民主党支持者>コロンブスは先住民虐殺を招いた人物だ。彼が生きた時代に建てられたものでなければ「歴史的遺産」とは評価できず、撤去すべきだ。彼らの米大陸到達を記念した祝日コロンブス・デーは廃止したい

Photographs by Q. Sakamaki for Newsweek Japan

撮影:Q・サカマキ
1986年よりニューヨーク在住。米コロンビア大学大学院卒業。80年代は主に米国の社会問題を、90年代以降は世界各地の紛争地を取材し、作品を 欧米の有力誌やアートギャラリー、美術館で発表する。著作に『戦争── WAR DNA』(小学館)、『Tompkins Square Park 』(powerHouse Books)など

<本誌2020年11月3日号掲載>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ総司令官、東部前線「状況悪化」 ロ軍攻勢

ビジネス

米GM、コロンビアとエクアドルで工場閉鎖 次世代車

ビジネス

ドル円が急上昇、一時160円台 34年ぶり高値更新

ワールド

米国務長官、29日からサウジ・イスラエルなど訪問 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story