Newsweek

TOKYO UNDER “SELF-RESTRAINT”

【写真特集】「自粛」が可視化した東京の現実

2020.11.21

Photographs by TAKESHI TOKITSU

    【写真特集】「自粛」が可視化した東京の現実

    5月25日、秋葉原/世界の大都市を中心に広がった新型コロナウイルスにより、感染症や災害に対する過密都市の脆弱性への認識は広がりつつある。テレワークなど働き方の変化もあり、人口の一極集中が続いていた東京都は7、8、9月と3カ月連続で転出超過となった

    <緊急事態宣言のもと本格的な「自粛」生活が続くなかで、東京は人という演者を失った巨大なセットのように静かにたたずんでいた>

    2020年4月7日、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大を受け、日本で初めてとなる緊急事態宣言が発出された。五輪開催を控え、多くの外国人や観光客であふれていた首都・東京は、本格的な自粛生活が始まったその日以降、人という演者を失った巨大なセットのように静かにたたずんでいた。

    東京を中心に実施された「自粛」という社会実験。それは人々の内面に影響を及ぼし、社会に変化を促していたように思える。

    それから7カ月余り。感染者数のテレビ速報に一喜一憂した時は過ぎ去り、街は以前の姿を取り戻しつつあるように見えた。しかし冬の足音とともに始まった感染の再拡大を前に、社会は今、再び立ち尽くす。

    「自粛」が顕在化させた日本社会の問題と、多くの気付き──。2020年は、変化の分岐点として記憶されるのだろうか。

    ――時津剛(写真家)


    pptokyo02.jpg

    6月20日、新宿/「ステイホーム」の号令は皮肉にも、住む場所や安心できる居場所がない生活弱者の存在と、格差を浮かび上がらせた。その一方、自宅で過ごす時間の増加やテレワークの浸透は、働き方や住まい、家族をはじめとする人と人とのつながり、また時間の価値などについて再考する貴重な機会にもなっている


    pptokyo01.jpg

    7月24日、東京五輪の開会式が予定されていたこの日、「あたらしい日本をはじめる合図」と銘打った花火が全国各地で打ち上げられた。東京の西の夜空も赤い光で彩られた


    pptokyo04.jpg

    8月5日、銀座/この老舗高級クラブは徹底した感染防止対策を講じているが、客足は戻っていない。為政者の「夜の街」発言は、人々の潜在的な差別意識を呼び覚まし、社会の分断と偏見を顕在化させた。また、感染者の増加と比例するように高まった自粛への同調圧力は「自粛警察」と呼ばれる人々を生み出した。コロナ禍は、社会全体を支配する空気への異論を許さぬ昨今の日本の姿を可視化した


    pptokyo05.jpg

    6月9日、新宿/外出自粛や在宅勤務の広がりとともに、増加する家庭ゴミが問題となっている。物質的豊かさの裏返しでもあるが、コロナ禍はモノを追求する経済優先の社会から、時間や精神性など無形の豊かさを重視する社会へと変化を促しているのではないだろうか

    本誌紹介

    特集:日本を置き去りにする デジタル先進国

    本誌 最新号

    特集:日本を置き去りにする デジタル先進国

    コロナを抑え込んだ中国デジタル監視の実態。台湾・韓国にも遅れた日本が今すべきこと

    2021年4月20日号  4/13発売

    人気ランキング

    • 1

      ビットコインが定着するか崩壊するか、運命が決まる時は間もなく来る

    • 2

      世界の銃の半分を所有するアメリカ人、お気に入りの小型ナイフも持ち歩けない日本に思うこと

    • 3

      エヴァと私の26年

    • 4

      仮想通貨で7億円稼いだ「億り人」の意外な素顔と「成…

    • 5

      ミャンマー市民が頼るのは、迫害してきたはずの少数…

    • 6

      東芝 車谷社長の何が悪いのか?

    • 7

      ふるさと納税は2年で750%増、熊本の人口4000人の町…

    • 8

      新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタ…

    • 9

      半数がワクチン接種済みのミシガン州も、変異ウイル…

    • 10

      ドイツで、世界初のスマホでできる新型コロナ感染テ…

    • 1

      青色の天然着色料が発見される

    • 2

      緑豊かな森林が枯死する「ゴーストフォレスト」が米国で広がっている

    • 3

      ビットコインが定着するか崩壊するか、運命が決まる時は間もなく来る

    • 4

      ミャンマー市民が頼るのは、迫害してきたはずの少数…

    • 5

      世界の銃の半分を所有するアメリカ人、お気に入りの…

    • 6

      ビットコインが、既に失敗した「賢くない」投資であ…

    • 7

      日本だけじゃない...「デジタル後進国」のお粗末過ぎ…

    • 8

      「頭の切れる人」とそれほどでもない人の決定的な差 …

    • 9

      「日本人なら中国人の3分の1で使える」 クールジャパ…

    • 10

      女子中学生がバスの扉に足を挟まれ、30秒間も道路を…

    • 1

      太平洋上空の雲で史上最低気温、マイナス111度が観測される

    • 2

      観測されない「何か」が、太陽系に最も近いヒアデス星団を破壊した

    • 3

      国際宇宙ステーションで新種の微生物が発見される

    • 4

      「夜中に甘いものが食べたい!」 欲望に駆られたとき…

    • 5

      EVはもうすぐ時代遅れに? 「エンジンのまま完全カー…

    • 6

      30代男性が急速に「オジサン化」するのはなぜ? やり…

    • 7

      孤独を好み、孤独に強い......日本人は「孤独耐性」…

    • 8

      ブッダの言葉に学ぶ「攻撃的にディスってくる相手」…

    • 9

      カミカゼ・ドローンで戦況は一変 米軍「最強」の座…

    • 10

      硬貨大のブラックホールが地球を破壊する

    もっと見る

    Picture Power

    レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

    【写真特集】アフリカの小国ジブチに注がれる熱視線