Picture Power

【写真特集】アフリカの小国ジブチに注がれる熱視線

DJIBOUTI: A GEOPOLITICAL “LABORATORY”

Photographs by DOMINIC NAHR

2021年04月10日(土)15時40分

エチオピアからジブチのナガド駅に到着したアディスアベバ・ジブチ鉄道の車両とエチオピア人乗務員。同鉄道は17年に中国資本によって全区間が開業し、ナガド駅も同年に新設された

<海上交通の要衝という立地に注目した中国は、「一帯一路」の拠点として大規模な開発に着手した>

ppdji00.jpgアフリカ北東部のアデン湾に面し、いわゆる「アフリカの角」に位置する小国ジブチ。国土の大半は砂漠であり、世界で最も暑い国の1つとされるこの国が、数年前から投資先や軍事拠点として世界各国から熱い視線を集めている。

ジブチが持つ強力な武器は、その立地だ。インド洋と地中海をつなぐアデン湾は、年間約2万隻の船舶が行き交う海上交通の要衝だ。

アジアと欧州の懸け橋というジブチの地政学的重要性に注目した中国は、経済構想「一帯一路」の拠点として大規模な開発に着手し、2018年にはアフリカ最大の自由貿易区を建設。16年からは隣国エチオピアの首都とジブチを結ぶ鉄道を開通させ、アデン湾に臨むドラレ港も開発した。同港の一部には中国初の国外軍事基地も建設。一方で欧米各国の軍事基地も展開している。

小さな国土に中国人のほかアフリカからの移民や欧米人などがひしめき合うジブチは、今や人種のるつぼの様相を呈している。いつかこの国は「アフリカのシンガポール」になるのだろうか。

ppdji02.jpg

ジブチに自由貿易区を建設した中国企業の社長ニコラス・リーと同区の模型


ppdji03.jpg

自由貿易区を建設する中国人労働者とジブチ人労働者


ppdji04.jpg

エチオピアからジブチのナガド駅に到着した列車の脇で乗客を誘導するエチオピア人の乗務員


ppdji05.jpg

首都ジブチ最大のバスターミナルと隣接する市場

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story