コラム

「解任好き」トランプはロシア疑惑の特別検察官もクビにする?

2018年03月31日(土)14時30分

特別検察官の解任権限を持つロッド・ローゼンスタイン司法副長官と、副長官不在時に権限を代行する複数の司法省高官の更迭も必要になりそうだ(セッションズ司法長官は大統領選中のロシア側との接触が判明したため、この件に関与できない)。

もしトランプが司法省の「大掃除」に乗り出す決意を固めた場合でも、今度は訴訟リスクに直面する公算が大きい。セス・ワックスマン元訟務長官は、トランプがムラーを解任すれば、行政手続法に基づく「職務怠慢」の証拠がない不当解雇として訴えられるだろうと指摘する。その場合、裁判所の判断が出るまで解雇を無効とする仮差止命令が出る可能性が高いという。

トランプがムラーを解任したがっているのは明らかだが、今はそれを阻む政治的・法律的な壁が存在する。それでも、ポルノ女優や男性誌プレイボーイの元モデルとの不倫問題が訴訟沙汰に発展するなど、トランプの周囲の状況は騒がしさを増す一方だ。大統領がどれほど「ダークな」手に訴えるか、現時点では予測し難い。

<本誌2018年4月3日号掲載>

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サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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