コラム

全米が注目するバイデンの副大統領候補選びは未来の「女性大統領」選びに?

2020年08月01日(土)19時00分

これは異例の顔触れと言える。一般的に副大統領候補に選ばれるのは、接戦州での集票能力が高い人物や、全国的な知名度が高く、選挙運動の経験がある人物だ。しかし、4人とも主要な接戦州の出身ではない。国民に広く知られているのは、ハリスとウォーレンだけだ。

ライスに至っては、副大統領時代のバイデンと緊密に連携して仕事をしていた人物ではあるが、選挙に立候補した経験すらない。コロナ危機の中で、オバマ前政権の国連大使や国家安全保障担当大統領補佐官として危機対応に当たった実績が評価されているのかもしれない。

ライス以上に意外な候補はバスだ。私はアメリカ大統領の研究で博士号を取得し、1日8時間アメリカ政治関連の書籍や論文を読んでいる人間だが、数週間前まで彼女のことはほとんど知らなかった。もっとも、選挙戦でトランプを大きくリードしているバイデンは、安全策を取るかもしれない。その場合は、知名度の高いハリスやウォーレンを選ぶ可能性がある。

誰が選ばれるかは、まだ予想がつかない。私がいつも主張してきたように、副大統領は非常に重要な役職だ。だからこそ、バイデンは人選に頭を悩ませているのだ。

<2020年8月11-18日号掲載>

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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