最新記事

テクノロジー

デルがIT史上最高額でEMCを買う狙い

新会社はHPの脅威、そしてIBMのライバルになる

2015年10月13日(火)16時14分
コナー・ギャフィー

神童は健在 かつてパソコンの価格破壊をリードしたマイケル・デル Jana Asenbrennerova-REUTERS

 パソコンメーカーのデルは、大量のデータを扱うためのデータストレージ・メーカー、EMCを670億ドルで買収することで同意した。IT業界史上最大の買収だ。

 デルのCEOマイケル・デルはEMCの会長に就任し、世界最大の統合型IT企業を創設することになる。

 ビジネス専門チャンネルCNBCによると、IT業界の買収におけるこれまでの最高額は、アメリカの半導体メーカー、アバゴ・テクノロジーが今年5月にライバル企業のブロードコムに提示した370億ドル。だが、アバゴとブロードコムの交渉はまだ最終合意に至っていない。

 デルは2015年の7~9月期、1,010万台以上のパソコンを出荷し、レノボとヒューレット・パッカード(HP)に次ぐ世界第3位になった。しかし、パソコン需要の縮小で、2015年4~6月期の出荷台数は9.5%減少し、ほぼ2年ぶりに大きく落ち込んだ。

法人向けソリューションへ進出

 当然のことながらデルは、新分野への進出を狙っていた。その点、EMCはデータストレージで19.2%のシェアを握る世界のリーディング企業。傘下には、クラウドと仮想化サービスに特化した子会社ヴイエムウェアもある。

 今回の買収で新会社は「法人向けソリューションの一大勢力」になる、とデルは言う。「次世代IT市場で最も重要な分野で成長が狙える」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

シャープ、堺工場のディスプレイパネル生産停止 減損

ワールド

ニューカレドニア、憲法改正抗議デモが暴動に 国際空

ビジネス

野村HD、2030年度の税前利益5000億円超目標

ビジネス

午後3時のドルはじり高156円半ば、1週間半ぶり高
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 5

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 6

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 7

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    「人の臓器を揚げて食らう」人肉食受刑者らによる最…

  • 10

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中