最新記事

ゲーム

カプコン社長「モンハンの出足は100点以上」「eスポーツに本格参入する」

2018年2月16日(金)17時55分
渡辺拓未(東洋経済記者)※東洋経済オンラインより転載

1月下旬に発売した「モンスターハンター:ワールド」は順調な滑り出しとなった(写真:カプコン)© CAPCOM CO., LTD. 2018 ALL RIGHTS RESERVED.

2018年が始まって1カ月半ほどしか経っていないが、日本のゲーム業界は早くも盛り上がりを見せている。特に話題を集めているのが、1月26日にカプコンが発売した『モンスターハンター:ワールド(以下モンハンワールド)』だ。

モンハンは多人数で協力してモンスターを狩るゲーム性を武器に、持ち寄って遊べる携帯機向けを主軸に展開してきた。対して、モンハンワールドは9年ぶりとなる据え置き機向けタイトルだ。現在プレイステーション4とXbox Oneで発売されており、今後PC版も発売される予定となっている。初速は絶好調で、発売から3日間で出荷本数は500万本を突破し、シリーズ歴代最多本数を早々に塗り替えた。

他方、2月1日設立されたeスポーツの業界団体「日本eスポーツ連合」も注目されている。eスポーツとは、ゲームを使った対戦をスポーツ競技としてとらえる際に使われる名称。海外ではすでに大きな盛り上がりを見せており、将来のオリンピック種目化も期待されているほどだが、日本ではまだ一般的とは言えない状況にある。今回設立された日本eスポーツ連合は既存3団体が統合したもので、国内のeスポーツ活動の普及と発展を目的として掲げている。

ゲーム業界をにぎわすこれらのテーマについて、日本eスポーツ連合の理事も務めるカプコンの辻本春弘社長に話を聞いた。

想定以上の反響が来ている

――モンハンワールドの販売が好調です。海外比率も6割と従来シリーズと比べて高い。初速を100点満点で採点すると何点でしょうか。

われわれが事前に想定していた以上の反響が来ている。海外の売り上げも非常に好調。これからPC版も発売するので、やりようによってはまだまだ販売を伸ばしていくことができそうだ。

――ということは、100点以上ということですか?

そういうことになる。

――携帯機向けとして人気のモンハンシリーズですが、今作は据え置き機向けです。どのような狙いを持って開発したのでしょうか。

もともとモンハンは据え置き機向けとして始まったタイトルだが、携帯機「プレイステーションポータブル」向けに展開したことをキッカケに大ブレークして、それ以降は国内の携帯ゲーム機ユーザーを中心に販売してきた。

それに対して、モンハンワールドはグローバル展開を狙ったタイトルだ。据え置き機やPC向けでの開発に挑戦したのも、海外のゲーム市場動向を考慮して決めた。

同時に、携帯機でのゲーム表現には限界があり、従来路線では既存ユーザーからの要望に応えきれていない面があった。モンハンワールドの開発では、最先端の技術で「モンスターハンター」というゲームを1から作り直し、ユーザーの声に応えるという思いもあった。

今作ではゲーム内世界の表現力が大きく改善した。広大なフィールドを自由に動き回れるようになり、地形を生かした攻略の幅も広がった。フィールドに生息するモンスターについても、捕食行動を行ったり縄張り争いを行ったりと、よりリアルな生態を表現できるようになった。この点はユーザーからも非常に好意的に受け入れられている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動

ビジネス

必要なら利上げも、インフレは今年改善なく=ボウマン

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中