最新記事

貿易

トランプ、インド初訪問 10万人の聴衆を前に貿易交渉や軍事装備品輸出に意欲

2020年2月25日(火)11時05分

 2月24日、トランプ米大統領(写真)は就任後初めてのインド訪問で、西部グジャラート州で開かれた大規模集会に登壇し、米政府はドローンやヘリコプター、ミサイルシステムなどの軍事装備品をインドに提供する用意があると表明した。写真は演説する大統領(2020年 ロイター/Al Drago)

トランプ米大統領は24日、就任後初めてのインド訪問で、西部グジャラート州で開かれた大規模集会に登壇し、インドとの「素晴らしい」通商協定締結に向けた意欲を示したほか、ドローンやヘリコプター、ミサイルシステムなどの軍事装備品をインドに提供する用意があると表明した。

トランプ氏はインドのモディ首相の地元、西部グジャラート州アーメダバードのスタジアムで10万人以上の聴衆の歓迎を受け、「あなた方のことを決して忘れない。今日からインドは米国人の心の中で特別な位置を占める」と謝意を示した。

米当局者はトランプ氏の訪印について、中国の台頭に対抗する狙いがあるとしている。

トランプ氏は聴衆に対し「引き続き防衛協力体制を築くに伴い、米国は最高品質で最も恐れられている軍事装備品をインドに提供することを待ち望んでいる」と述べた。

また、30億ドル相当の軍用ヘリコプターの提供について両国が25日に合意に署名すると明らかにした。米国がインドにとって主要な防衛パートナーになるべきとの考えも示した。

貿易交渉については、「両国は非常に大規模で、史上最大級の通商協定を結ぶ。両国間の投資障壁の削減につながる素晴らしい通商協定の締結に向けた協議の初期段階にある」と述べた。

また、インド国内の事業環境について、早期に改善するよう望むとした。

「モディ首相と協力し、両国にとって素晴らしい合意を締結できると楽観しているが、モディ氏は手ごわい交渉相手だ」とも語った。

トランプ氏はさらに、インドとの宇宙協力の拡大に期待感を示した。

こうした中、トランプ氏が25日に訪問を予定するデリーでは、イスラム教徒に対し差別的とされる改正国籍法に反対するデモが行われた。

トランプ氏は24日の演説で、安定した民主主義国家としてのインドの繁栄を称賛し、「インドは寛容で偉大かつ自由な国としてそれを成し遂げた」とたたえた。

米当局者が前週明らかにしたところによると、トランプ氏はモディ首相に対し宗教の自由の問題を提起する見通しという。



ロイター


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ミャンマー内戦、国軍と少数民族武装勢力が

ビジネス

「クオンツの帝王」ジェームズ・シモンズ氏が死去、8

ワールド

イスラエル、米製兵器「国際法に反する状況で使用」=

ワールド

米中高官、中国の過剰生産巡り協議 太陽光パネルや石
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加支援で供与の可能性

  • 4

    過去30年、乗客の荷物を1つも紛失したことがない奇跡…

  • 5

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカ…

  • 6

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 7

    この夏流行?新型コロナウイルスの変異ウイルス「FLi…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 10

    礼拝中の牧師を真正面から「銃撃」した男を逮捕...そ…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 3

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中