最新記事

日本社会

東京コロナショック最前線 「立ち食いそば」、品川と五反田の売上回復の差はなぜ?

2020年8月4日(火)11時45分
本橋 隆司(フリー編集者・ライター) *東洋経済オンラインからの転載

:3月、4月、5月は、数字を見ても、どうしようもないと思いましたね。全体的にこういうこと、って思って、もうそこは、僕は思考しなかったですね。考えてもしょうがないと思っていましたので。

池田:やりようがないぐらいまで、いっちゃった感じですからね。

オフィス街はいまだに厳しい

reuters__20200803151844.jpg

住宅地に寄って行くほど、売上回復が顕著と話す丹社長(撮影:梅谷秀司)
 

売り上げがガクッと落ちたという2月27日の前日、26日には国の感染症対策本部がイベントなどの実施を自粛するよう要請をしている。この日を境に、人々の行動は大きく変わった。緊急事態宣言の解除後、売り上げはやや戻りつつあるようだが、店舗のエリアによって、バラツキは大きいという。

池田:7月直近が前年同期比90.5%と言いましたが、都心部店舗は82%ぐらい。住宅地や駅前が88%ぐらいで、郊外は94%ぐらいと差があります。うちは郊外店舗を増やしてきていたので、それでなんとか助かっていますね。

:うちも住宅地に寄っていくほど、戻りが大きいというのは同じです。これまでいいと言われていたエリア、新宿、渋谷、新橋というところが、軒並み50%を超えられないというのが、現状ですね。

池田:都心は東京駅から品川駅までのエリア、青山あたりもぜんぜんダメですね。

:オフィス街はリモートワークが増えて、そのエリアにいるべき人がいないんですよ。

池田:ただ、都心でも中小企業が多いエリア、たとえば五反田とかは、リモートワークをやってるところが少ないからか、それほど売り上げは悪くはないです。それと郊外のロードサイド店。ドライバーさんは、コロナ後もそれまでと変わらず仕事をしていますから。郊外店は広いので混むわけでもないですし、みなさんひとりごはんですから、三密も避けられますし。

:うちの場合は、リモートワークになったことで、住んでいる方が多い中央線沿線は戻りもいいですね。会社も小さめのところが多いですし。

時間帯でいうと、夜が大きく下がりました。夜の10時過ぎ、飲んだ後の時間帯にピークがあったんですが、みんな飲まなくなって、なくなりました。夕方から夜にかけての時間帯の売上が戻っていません。後は、お昼の時間帯がピークになりきらないのが、戻りきらない大きな要因ですね。店を覗いて、人がいるようならほかの店に行ってしまう人もいるので。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、豚内臓肉などの輸入で仏と合意 鳥インフル巡る

ワールド

ロシア、対等な条件なら西側と対話 プーチン氏就任式

ビジネス

ディズニー1─3月決算、動画配信が改善 テレビ事業

ワールド

ロシアで米国人2人が拘束、1人は窃盗容疑の米軍兵士
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 6

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中