最新記事

事故

スエズ運河庁、日本のコンテナ船座礁事故の損害997億円と主張 船を留置

2021年4月14日(水)09時26分
コンテナ船「エバーギブン」

エジプト・スエズ運河で先月発生したコンテナ船「エバーギブン」(写真)の座礁事故を巡り当局は船主に9億1600万ドルの損害賠償を求めており、交渉が継続する中、同船は運河に留め置かれている。保険会社や関係筋が13日、明らかにした。写真は3月29日撮影(2021年 ロイター/Mohamed Abd El Ghany)

エジプト・スエズ運河で先月発生したコンテナ船「エバーギブン」の座礁事故を巡り当局は船主に9億1600万ドルの損害賠償を求めており、交渉が継続する中、同船は運河に留め置かれている。保険会社や関係筋が13日、明らかにした。

エバーギブンは愛媛県今治市の正栄汽船が所有。約1週間にわたり航路を塞いだ同船は先月29日に離礁したが、エジプトのスエズ運河庁が調査を進める間、運河の中間にある湖に停泊したままとなっている。

スエズ運河庁の関係筋はロイターに、同船を留め置くよう裁判所の命令が出ていると説明。賠償請求を巡る協議はなお継続しているという。

エバーギブンの船主責任保険(P&I)を引き受けているUKクラブは文書で、運河庁の賠償請求は「海難救助特別手当」と「評判の損失」の項目でそれぞれ3億ドルが含まれていると説明。

「賠償請求の大部分は根拠がなく、大きい額だが、所有者と保険会社は誠意を持ってスエズ運河庁と交渉してきた」とした上で、「4月12日に入念に検討した、寛大な保険支払い案が運河庁に示された。運河庁がその後、同船の留置を決めたことに失望している」と表明した。

正栄汽船の船体管理部門の幹部は、運河庁から賠償請求があり、エバーギブンに運河を離れる許可が下りていないことを確認した。それ以上の詳細には踏み込まなかった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・フィット感で人気の「ウレタンマスク」本当のヤバさ ウイルス専門家の徹底検証で新事実
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

大和証G、26年度までの年間配当下限を44円に設定

ワールド

北朝鮮、東岸沖へ弾道ミサイル発射=韓国軍

ワールド

ロシア、対西側外交は危機管理モード─外務次官=タス

ビジネス

中国4月経済指標、鉱工業生産が予想以上に加速 小売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇…

  • 5

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 6

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 7

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 8

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 9

    日鉄のUSスチール買収、米が承認の可能性「ゼロ」─…

  • 10

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中