最新記事

自動車

仏ルノーの人気小型EVゾエ、安全性調査で最低評価 まさかの「星ゼロ」

2021年12月9日(木)11時21分
ユーロNCAPによるルノー「ゾエ」の車両安全性評価

仏自動車大手ルノーの電気自動車(EV)の人気モデル「ゾエ」が8日、欧州の車両安全性評価「ユーロNCAP」で「星なし」の最低評価を受けた。Euro NCAP / YouTube

仏自動車大手ルノーの電気自動車(EV)の人気モデル「ゾエ」が8日、欧州の車両安全性評価「ユーロNCAP」で「星なし」の最低評価を受けた。

同社の低価格ブランド「ダチア・スプリング」も「1つ星」の評価にとどまった。

ユーロNCAPの代表は「ルノーはかつて安全の代名詞だった。だが、今回のゾエとダチア・スプリングの失望を招く結果は、ルノーのEVへの移行で安全性が巻き添え被害を受けたことを示している」と表明した。

ルノーは、ゾエについて、規制上の全ての安全基準を満たした安全な車だとの声明を発表。「(安全性評価の)基準は常に変化しており、すべての分野で一段と厳格なものになっている」とし「車が販売される地域に適用される規制を順守するため、改良を続けていく」と述べた。

ユーロNCAPの格付けは、公道での走行を認可するものではなく、拘束力はないが、欧州の消費者はユーロNCAPの格付けに注目しており、メーカーも高格付けを取得した車を積極的に売り込んでいる。

ユーロNCAPが「星なし」の評価を出したのは、今回のゾエを含めて3回しかなく、ゾエの販売低迷につながれば、ルノーは速やかなモデルチェンジを迫られる可能性がある。

ユーロNCAPによると、ゾエの最新モデルは、座席のサイドエアバッグが従来のモデルから悪化した。ユーロNCAPの評価で2001年に初めて「5つ星」の評価を受けたのはルノーの「ラグナ」だった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ユーロNCAPが発表したルノー「ゾエ」の安全評価テストの映像 Euro NCAP / YouTube

【話題の記事】
・クジラは森林並みに大量の炭素を「除去」していた──米調査
・気候変動による世界初の飢饉が発生か 4年間降雨なく、昆虫で飢えをしのぎ...マダガスカル
・地球はこの20年で、薄暗い星になってきていた──太陽光の反射が低下


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国自動車輸出、4月は過去最高 国内販売は減少に減

ワールド

UNRWA本部、イスラエル住民の放火で閉鎖 事務局

ワールド

Xは豪州の法律無視できず、刃物事件動画訴訟で規制当

ビジネス

ドイツ住宅建設業者、半数が受注不足 値下げの動きも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 3

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカネを取り戻せない」――水原一平の罪状認否を前に米大学教授が厳しい予測

  • 4

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 5

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 6

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 7

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 8

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中