最新記事

ネット

アマゾン、第4四半期は利益倍増 広告売上がYouTubeを追い越す

2022年2月4日(金)10時12分
アマゾン・プライムビデオのロゴ

米アマゾン・ドット・コムが3日発表した2021年第4・四半期決算は増益。また、輸送コストや賃金の拡大を相殺するため、米国のプライム会費を引き上げると発表した。2021年3月撮影(2022年 ロイター/Danish Siddiqui)

米アマゾン・ドット・コムが3日発表した2021年第4・四半期決算は、利益がほぼ倍増し、市場予想を上回った。また、輸送コストや賃金の拡大を相殺するため、米国のプライム会費を引き上げると発表した。

引け後の時間外取引で、アマゾンの株価は一時17%急伸した。

年末商戦を含む第4・四半期の純利益は143億2000万ドル(1株当たり27.75ドル)と、前年同期の72億2000万ドル(同14.09ドル)から増加した。新興の電気自動車(EV)メーカー、リビアン・オートモーティブへの出資に絡む税引前利益118億ドルが含まれる。


新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でオンラインでの買い物が増える中、アマゾンは感染拡大などによる事業の混乱を抑えるため資金を投入。労働市場が逼迫する中で人手を確保しようと、契約時のボーナスなどを支給してきた。倉庫の在庫を確保するため物流費も膨らんでいる。

こうした状況を踏まえ、米国のプライム会費を年間で現在の119ドルから139ドルに、月間で12.99ドルから14.99ドルにそれぞれ引き上げる。新規会員への値上げは2月18日から適用する。米国以外のプライム会費の変更は発表していない。

米国での前回の年会費引き上げは4年前で、99ドルから119ドルに上昇。その前の値上げはさらに4年前だった。

ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は電話会見で、一部のプライム会員は退会が予想されるが、過去の経験では定着率の低下は大きくなかったと指摘。パンデミック下でプライム会員1人当たりの売上高は「著しく伸びた」とも述べた。

プライムの会員数は世界で2億人を超す。会費は第4・四半期だけで15%増の81億ドルに上った。

第4・四半期はクラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」も好調だった。ゲームやリモートワークによる需要拡大で、売上高は178億ドルと40%増加。リフィニティブのまとめたアナリスト予想は173億ドル超だった。

広告収入も32%増の97億ドルと、アルファベット傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」の同四半期の広告収入を上回った。

一方、第1・四半期の売上高見通しは1120億─1170億ドル、もしくは3─8%増とし、アナリスト予想の1200億4000万ドルを下回った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナ感染で男性器の「サイズが縮小」との報告が相次ぐ、「一生このまま」と医師
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・日本のコロナ療養が羨ましい!無料で大量の食料支援に感動の声
・コーギー犬をバールで殺害 中国当局がコロナ対策で...批判噴出


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

大手3銀の今期純利益3.3兆円、最高益更新へ 資金

ワールド

ニューカレドニアの暴動で3人死亡、仏議会の選挙制度

ワールド

今年のユーロ圏成長率、欧州委は2月の予想維持 物価

ワールド

ウクライナ大統領、外遊取りやめ 東部戦況悪化が影響
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 8

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中