最新記事

トレーニング

世界が熱狂するストリートワークアウト、「なぜ屋外で?」最強の2人に聞いた

2020年8月26日(水)17時20分
ニック・コリアス

――2人とも、トレーニングの目的とか"腹筋"や"ストレッチ"といった特定のテーマに焦点を当てた本を書いてきています。この本には、それらの全てが含まれている。『ストリートワークアウト』の焦点がそこにあるのは、なぜ?

アル・カバドロ 私たちのどちらも、これまで出版したどの本よりも多分野にわたる動作を網羅したガイドを出したいと考えていた。その結果、視野を広げた内容になったけど、今まで本を出してこなければ、これを書くことはできなかったと思う。

著者として、以前の本の制作作業から多くのことを学んでいたし、読者からのフィードバックを注意深く反映することで、この本をベストな状態に仕上げることができたんだ。

ダニー・カバドロ 『ストリートワークアウト』は、私たちが提供できるほとんどのエクササイズのコレクションになっている。しかし、私たちの旅と体験してきたことのアンソロジーにもなっている。

私たちはいろいろな国でDragon Door(※フィットネスにかかわる総合出版社。さまざまなトレーニングクラスも提供している)のプログレッシブ・キャリステニクス認定を教えているので、世界中のストリート系キャリステニクス実践者とつながっている。それも表現したかったんだよ。

エクササイズやコミュニティだけでなく、世界中にあるストリートの雰囲気を感じることもできるよ。「ワークアウトをストリートへ持ち込む」と銘打った章もあり、ここでストリートで見つけた対象物をどう使うかについてのアイデアを出している。過去、こういった類のマニュアルはなかったはずだ。

ボディビルディングとキャリステニクスは反対のアプローチ

――他の誰かがやっているエクササイズを見て驚くことはありますか?

アル・カバドロ まったく新しい動作、ユニークなバリエーション......。かなり長い間、ストリートで鍛えてきたけど、今でも見るべきものと出合う。ストリートワークアウトの実践者になると、筋力と創造性の限界が取り払われるからだろうね。

ダニー・カバドロ マッスルアップとワンアーム・プルアップを初めて見たときの衝撃は今でも忘れられない。最近、ワンアーム・マッスルアップを初めて見たけど、それも衝撃的な光景だったね。

streetworkout20200826_pic3.jpg

マッスルアップ(『ストリートワークアウト』209ページより)

アル・カバドロ ちょっと前に、ワンアーム・プランシェをやっている男のビデオを見る機会があった。ブッ飛んだね。両腕でのプランシェを達成することすら、ほとんどの人間にとってとてつもないチャレンジなのに、なんだこれって感じだったよ!

streetworkout20200826_pic4.jpg

プランシェ(『ストリートワークアウト』203ページより)

――キャリステニクスに親しんでいることで、予想外の種類の強さとか成長、身体的変化を得ることはありますか?

アル・カバドロ トレーニングがあなたの体に求めてくるものに、あなたの体がどう適応していくか。そこに、キャリステニクスの面白さの1つがある。自分の体重が唯一の抵抗なので、キャリステニクスがやりやすい理想的な着地点を目指して、筋肉がつくられ、脂肪が除かれていく。機能的な意味で最も効率的に動くシャープな体へと無理なく変えていくことができるんだよ。

ダニー・カバドロ あとは、筋肉がどう相互接続しているか、また、ある動作の中でどうしたら可能な限り筋肉を効率的に動かせるかが分かってくることかな。ボディビルディングの基本は、筋肉を分離させて動かすことだけど、キャリステニクスでは、反対のアプローチ法を取る。そのほうがうまく機能するからね。

【関連記事】筋トレは量か強度か 「囚人筋トレ」のポール・ウェイドが全てを語った

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

訂正-ポーランドのトゥスク首相脅迫か、Xに投稿 当

ビジネス

午前の日経平均は反落、前日の反動や米株安で

ビジネス

中国新築住宅価格、4月は前月比-0.6% 9年超ぶ

ワールド

北朝鮮技術者が身元偽り米企業でリモート勤務、支援の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇跡とは程遠い偉業

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 6

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 7

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 8

    半分しか当たらない北朝鮮ミサイル、ロシアに供与と…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中