最新記事

株の基礎知識

フィンテックだけじゃない。エドテックからリーテックまで、注目の「テック株」はこれだ

2021年6月28日(月)17時10分
山口 伸 ※株の窓口より転載

●アメリカで注目のテック株

アメリカ市場に目を向けると、さらに多くのエドテック銘柄があります。教育関連という点を考えてみても、少子化が進む日本よりも、今後も人口増加が見込まれているアメリカのほうが期待できるかもしれません。

チェグ(Chegg<CHGG>)は電子教科書を販売するほか、中古教科書を売買できるプラットフォームを展開。また、月々14.95ドルで、わからない問題をいつでも質問できるサービスなどを提供しています。

コロナ禍での株価上昇が著しく、2020年3月に30ドル台だったのが5月には倍の60ドルになり、2021年2月には100ドルを突破しました(株価チャート参照)。

kabumado20210628fintech-chart3.png

コロナ禍でますます注目が集まるエドテック銘柄ですが、国の教育方針に左右される側面もあるため、その点は注意しておきたいところです。

法律を身近にする「LegalTech」とは

かつては弁護士に相談するのはハードルの高い行為でしたが、「リーガルテック(LegalTech)」の登場によって、誰でも気軽に相談できるようになりました。

●弁護士ドットコム<6027>

日本を代表するリーガルテック企業といえば、マザーズに上場している弁護士ドットコム<6027>ではないでしょうか。同社は法律関連のポータルサイトを運営しており、利用者は弁護士への質問を投稿したり、自分に合う弁護士を探したりすることができます。

弁護士ドットコムは厳しい状況が続く弁護士業界で注目を浴び、登録弁護士数は2016年から倍増して、2020年は2万人を超えました。2015年からは電子契約サービス「クラウドサイン」を開始し、ペーパーレス化を推進する企業の間で導入が進んでいます。

弁護士ドットコムの株価は2020年3月時点で3,000円台でしたが、テレワークの普及で「クラウドサイン」が注目を浴びたのか、6月には10,000円を突破、10月には15,000円台に乗せるまで急上昇しました。現在は再び9,000円台で落ち着いていますが、今後の動きにも目が離せません(株価チャート参照)。

kabumado20210628fintech-chart4.png

●アメリカ株やIPOにも期待

ちなみに、「クラウドサイン」と同様のサービスを提供する企業としてはアメリカのドキュサイン(DocuSign<DOCU>)もあり、公式ホームページによるとすでに50万社以上を顧客として抱え、世界最大規模とのことです。

リーガルテック銘柄はあまり多くは見られませんが、同じくアメリカのロス・インテリジェンス(ROSS Intelligence)など、AIによる法的文書の検索・分析システムを開発するベンチャーは数多くあります。こうした企業が今後IPOで売り出される可能性もあるため、期待したいところです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコCPI、4月は前年比+69.8% 22年以来

ビジネス

ドル/円、一時152.75円 週初から3%超の円高

ビジネス

仏クレディ・アグリコル、第1半期は55%増益 投資

ビジネス

ECB利下げ、年内3回の公算大 堅調な成長で=ギリ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中