Newsweek

日韓関係

韓国ボイコットジャパンは競馬にまで 「コリアカップ」日本馬排除でなくしたものとは?

2019年11月30日(土)11時30分
山本 智行(共同通信社記者) *東洋経済オンラインからの転載

    ついに韓国馬が自国開催のG1で初優勝!ソウル競馬場は最高に盛り上がったが、天敵の日本馬は不在だった。韓国競馬が失ったものとは?(撮影:前田祥久)


    こじれてしまった日韓関係は元に戻るのだろうか。「ボイコットジャパン」の動きはスポーツ、文化にも影響を及ぼしている。今年4回目の開催となった韓国競馬界の国際レース「コリアカップデー」でも、過去3年間、勝利を「独占」してきた日本馬が不在という「異常事態」だったが、競馬場は最高潮の盛り上がり。だが、関係者は複雑な表情だった。なぜか。韓国の競馬を熟知する山本智行氏が舞台裏を取材した。

    日韓関係悪化は競馬にも飛び火、まさかの「日本馬招待せず」

    2019年9月8日は、70周年を迎えたKRA(韓国馬事会)にとっては"最良の日"だったと言えるかもしれない。何しろ、自国で開催する最高の2つのG1レースを、ついに地元の韓国馬が4年目にして初めて制覇。しかも、「天敵の日本馬」不在とは言え、「ダブル」で勝つことができたからだ(賞金総額は2レースとも10億ウォン=約9200万円)。

    韓国が「世界の競馬一流国の仲間入り」を目指し、コリアカップデーと銘打ち鳴り物入りで国際競走「コリアカップ」(1800メートル)「コリアスプリント」(1200メートル、ともにダート、韓国G1)を始めたのは2016年。

    だが過去3年間、コリアカップデーは「6戦5勝」と日本馬のほぼ独壇場だった。短距離の「スプリント」こそ、2016年の第1回に韓国馬ではなく香港馬が勝ったものの、それ以外はすべて日本馬が勝利。特に距離の長い「カップ」はワンサイドの傾向が強く、日本でG1勝ちのないロンドンタウン(牡6=栗東・牧田和弥厩舎)があっさり連覇。2018年には"衝撃の15馬身差"で圧勝したことは、「韓国馬が地元G1で日本馬にボロ負けする理由」で書いたとおりだ。

    このレース後に薪浦亨オーナーが「来年(2019年)も来ます。3連覇を目指します」と宣言した際、韓国競馬関係者の間には、半ばしらけたような微妙な空気が流れたものだ。

    そのとき、私も「開催されれば3連覇は確実だろう」と書いたのだが、日韓関係の悪化を受け、日本馬が招待されないという異例の事態に陥った。

    本誌紹介

    特集:誤解だらけの米中新冷戦

    本誌 最新号

    特集:誤解だらけの米中新冷戦

    「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う── 米中関係史で読み解く新冷戦の本質

    ※次号は9/23(水)発売となります。

    2020年9月22日号  9/15発売

    人気ランキング

    • 1

      安倍首相の辞任で分かった、人間に優しくない国ニッポン

    • 2

      2020年ドイツ人が最も恐れるのは......コロナではなくトランプ政治

    • 3

      権威なき少数民族にはここまで残酷になれる、中国の「特色ある」民族差別

    • 4

      金正恩が「飲み会で政策批判」のエリート経済官僚5人…

    • 5

      中国人民解放軍、グアムの米空軍基地標的とみられる…

    • 6

      「やめておけ、マイナス金利」 欧州金融界、逆効果示…

    • 7

      関係悪化の責任は安倍前首相にあると煽ってきた韓国…

    • 8

      EVで世界トップに上り詰めたテスラ、新たな電池戦略 …

    • 9

      トランプのWeChat禁止措置、連邦地裁が仮差し止め命令

    • 10

      台湾・蔡英文総統、菅首相と電話会談予定せず 森元首…

    • 1

      安倍首相の辞任で分かった、人間に優しくない国ニッポン

    • 2

      権威なき少数民族にはここまで残酷になれる、中国の「特色ある」民族差別

    • 3

      「ワクチンは安全」という信頼、日本は世界最低レベルだった

    • 4

      韓国の世代間格差と若者の怒り

    • 5

      水にひそむ「脳を食べるアメーバ」で少年が死亡

    • 6

      EUミシェル大統領「中国に利用されず」 首脳会談、習…

    • 7

      拡張主義・中国の「武力」を4カ国連携で封じ込めよ

    • 8

      【動画】タランチュラが鳥を頭から食べる衝撃映像と…

    • 9

      中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは.....…

    • 10

      親の過干渉が子どもの幸福感を下げる

    • 1

      安倍首相の辞任で分かった、人間に優しくない国ニッポン

    • 2

      中国・三峡ダムに過去最大の水量流入、いまダムはどうなっている?

    • 3

      【動画】タランチュラが鳥を頭から食べる衝撃映像とメカニズム

    • 4

      反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船…

    • 5

      1件40円、すべて「自己責任」のメーター検針員をク…

    • 6

      中国の三峡ダム、豪雨で危険水位20メートル上回る 設…

    • 7

      撃墜されたウクライナ機、被弾後も操縦士は「19秒間…

    • 8

      米中新冷戦でアメリカに勝ち目はない

    • 9

      アラスカ漁船がロシア艦隊と鉢合わせ、米軍機がロシ…

    • 10

      太陽の黒点のクローズアップ 最新高解像度画像が公…

    もっと見る

    Picture Power

    レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

    【写真特集】光のあふれる美しい家と、愛すべき犬と