最新記事

映画

ホラー映画の「怖さスケール」を独自開発!新作映画の怖さを測定すると...

Scarier Than the Original?

2021年6月18日(金)11時48分
サ ム・アダムズ(スレート誌映画担当)

ミイラ化した遺体もたくさん登場する(あるシーンでは電車1両分も出てくる)。けれども中学校の文化祭のお化け屋敷のようで、夢にまで出てきそうなクオリティーとは言えない。

前作は終末的風景の不気味さを見せながら、その世界のいくつかの謎を観客に解かせる作りになっていた。主人公一家が声を出せない状況にいて、身ぶり手ぶりのやりとりしかできないことから成立した見せ方だ。

今作では変わり果てた世界に残るかつての日常の痕跡に寒けが走るような不気味さはあるが、謎解き要素は少ない。むしろ、アクション映画っぽい。その点に貢献しているのは、アクションヒロインへと成長した一家の娘役のミリセント・シモンズだ。

210615p52_sc04.jpg

ホラー映画よりコロナの現実が怖い?

本作がどれくらい怖いと感じるかは、以下の2点に左右される。1つは、子供が危険にさらされる状況をどれほど怖いと思うか。もう1つは、驚かせるタイプの「ジャンプスケア」的な演出にどれだけ耐性があるかだ。

暗がりから化け物が叫びながら飛び出してくるような描写がお好みなら、おすすめできる作品だ。しかしコロナ禍のせいで、どんな映画よりも映画館に行くという行為自体が怖いものになってしまった。そのあたりを踏まえれば、この作品にはもう2〜3点加えてもいいかもしれない。

©2021 The Slate Group

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=まちまち、FOMC受け

ビジネス

ドル一時153.00円まで4円超下落、現在154円

ビジネス

FRB、金利据え置き インフレ巡る「進展の欠如」指

ビジネス

NY外為市場=ドル一時153円台に急落、介入観測が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中