Newsweek

英語学習

アップデートされた新生TOEICに、攻略テクニックは通じない

2019年1月25日(金)10時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

    TOEIC L&R 公開テスト会場での受験の様子(写真提供:IIBC)

    <2016年5月に出題形式が一部変更されたTOEICテスト。時代の変化に対応して、より実践的なコミュニケーション能力が問われる内容にアップデートされた>

    英語のコミュニケーション能力を測るTOEICテストは2016年、TOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)へと名称を変更。出題形式も一部が変更された。日常業務で英語コミュニケーションが求められるビジネスパーソンがますます増えるなか、新しくなったTOEIC L&Rから、日本人の英語力のどんな変化が見えて来たのか――日本でのテストの実施・運営を担当している「一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)」の山下雄士常務理事に話を聞いた。

    社会の変化に合わせて実践的な出題形式へ

    TOEIC L&Rは、日本では1979年に導入され、30年以上にわたって実施されている。2016年の改訂は2006年以来、実に10年ぶりのことだ。山下氏は、「一般社会やビジネスシーンにおいて、英語の使われ方は少しずつ変化している。できるだけ社会の状況を反映したものを取り入れるのが狙い」と、改訂の目的を語った。

    例えば、急激に進むIT化によってツイッターなどのSNSが普及し、多くの人たちの日常生活で使われるようになった。こうしたやりとりもテストに取り込まれているという。「別の言葉でいうとオーセンティック(実際的)」と山下氏が説明するように、実社会で使われているものに近い、実践的な英語力が問われる出題形式が採用されている。また、従来は高得点を取得するための攻略テクニックやコツが出回っていた面があり、本来の試験のあり方を見直す意図も含まれている。

    実際の主な変更点を見てみよう。リスニングセクションでは会話問題の場合、以前は2人だけだったが、より実際的な例として3人による会話も出題。加えて、「Yes, in a minute.」や「Could you?」など、リアルな会話で使われる文の一部分や省略形などのくだけた表現も出てくる。また、会話で「I can't believe it.」という表現が、感嘆や憤りなどどのような意図で使われているのかという選択問題では、会話全体を理解していないと解けない工夫が凝らされている。

    同様に直接的な答えは会話の中にはなく、全体の文脈を理解できて初めて答えが分かる問題も出題される。こうした問題では、攻略のためのテックニックは通用せず、すべての会話を正しく理解できる能力が求められる。

    リーディングセクションでも、全体の構成を理解しているかどうかや、書き手が暗示している意図が問われる問題が出題。また、3つの関連する文書を読んで答える問題では、違った種類の情報を連結させて全体を把握する能力が求められている。時代の変化に対応した例では、オンラインチャット形式で複数の人がやり取りを行う問題が登場。ここでも省略形や短文が使われ、実社会で使われているような会話が取り入れられている。

    会話や文章をしっかり理解しないと解けない問題が増えたことで、本来の英語のコミュニケーション能力を測ることのできるテストへとアップデートされた。

    注目のキーワード

    注目のキーワード

    ニューストピックス

    本誌紹介

    特集:米ジョージタウン大学 世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論

    本誌 最新号

    特集:米ジョージタウン大学 世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論

    「全米最高の教授」サム・ポトリッキオが説く勝ち残るリーダーになるための処方箋

    2019年6月18日号  6/11発売

    人気ランキング

    • 1

      未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

    • 2

      厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

    • 3

      自撮りヌードでイランを挑発するキム・カーダシアン

    • 4

      「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

    • 5

      ISIS戦闘員を虐殺する「死の天使」

    • 6

      アメリカは「いざとなれば瞬時にイランを破壊できる」

    • 7

      ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府…

    • 8

      北朝鮮の若者が美貌の「文在寅の政敵」に夢中になっ…

    • 9

      タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14…

    • 10

      【南シナ海】中国船による「当て逃げ」にフィリピン…

    • 1

      タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14歳少女に起こった一大事

    • 2

      ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府に包囲網解除を要求か

    • 3

      サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

    • 4

      香港大規模デモ、問題の「引き渡し条例」とは何か?

    • 5

      厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

    • 6

      未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

    • 7

      自殺に失敗し顔を失った少女の願い――「何が起きても…

    • 8

      「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

    • 9

      日本の女性を息苦しさから救った米国人料理家、日本…

    • 10

      貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

    • 1

      サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

    • 2

      台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死

    • 3

      マイナス40度でミニスカ女子大生の脚はこうなった

    • 4

      現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

    • 5

      プラスチック製「人工子宮」でヒツジの赤ちゃんが正…

    • 6

      タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14…

    • 7

      貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

    • 8

      トランプ、エリザベス女王にまたマナー違反!

    • 9

      脳腫瘍と思って頭を開けたらサナダムシだった!

    • 10

      アメリカの衛星が捉えた金正恩「深刻な事態」の証拠…

    もっと見る

    Picture Power

    レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

    【写真特集】「差別なき」南アフリカの差別的な現実