最新記事

AI

OpenAIが「GPT-4」発表──マルチモーダル化、文章・画像を併用した質問に対応

2023年3月15日(水)10時00分
冨田龍一
OpenAI

rafapress-Shutterstock

<司法試験の模擬試験で受験者の上位10%相当の合格点を獲得したという>

AI開発企業のOpenAIは現地時間3月14日、大規模言語モデルの最新版「GPT-4」を発表した。まずは有料サービス「ChatGPT Plus」の利用者や、API経由で開発者向けに提供する。

【動画】OpenAIが公開した「GPT-4」のデモ動画──その精度は

GPT-4は前バージョン「GPT-3.5」と比較して推論性能が向上。「現実世界のシナリオの多くにおいては人間に劣るが、専門的・学術的なベンチマークでは人間レベルのパフォーマンスを示す」という。

その根拠として、GPT-4は司法試験の模擬試験で受験者の上位10%相当の合格点を獲得したとOpenAIは説明。GPT-3.5では下位10%程度だったという。

GPT-4はマルチモーダル化も果たした。そのため画像と文章を併用した難しい質問も扱える。例えば画像を入力した上で「この画像は何が面白い?」と質問すると回答する。前バージョンはテキストのみに対応。今後、動画、音声といったコンテンツへの対応が期待される。

またGPT-4は「許可されないコンテンツの生成に対応してしまう可能性」がGPT-3.5と比較して82%低く、「医療や自傷行為」といったセンシティブな内容を含むリクエストにOpenAIのポリシーに則して回答する確率は29%増えたという。

グーグルも同日、生成AIを「Gmail」、「Google ドキュメント」、「Google スプレッドシート」といった「Google Workspace」アプリ全般に組み込むと発表した。文章の自動生成といった機能を導入するという。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシア第1四半期5.4%成長、ウクライナ侵攻で軍需

ワールド

ノルウェー政府系ファンド、シェルに気候変動対策の詳

ワールド

スペインの極右政党ボックス、欧州議会選へ向け大規模

ワールド

イランのライシ大統領と外相が死亡と当局者、ヘリ墜落
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 9

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中